フィターゼ及び必須アミノ酸添加による豚糞尿中リン及び窒素排泄量低減効果

タイトル フィターゼ及び必須アミノ酸添加による豚糞尿中リン及び窒素排泄量低減効果
担当機関 秋田県畜産試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1999
要約 低タンパク質・低リン飼料へのフィターゼ及び必須アミノ酸添加は、リン消化率を大幅に向上させ、窒素及びリン排泄量を有意に同時低減することができる。
背景・ねらい 家畜糞尿中へ排泄されるリン及び窒素は、環境汚染の負荷物質となっている。
そこで、肥育豚の発育を阻害しない範囲で糞尿中窒素及びリン排泄量を同時に
低減する飼養管理方法を検討するため、低タンパク質・低リン飼料へフィターゼ
及び必須アミノ酸を添加し、糞尿中窒素及びリン排泄量並びに発育及び産肉性
を調査し、より総合的な環境保全型の使用管理技術の確立を検討した。
成果の内容・特徴 試験区分及び給与飼料設計は表1に、主な
給与飼料内容は表2に示した。フィターゼは、
飼料1kg当たり500単位添加した。また、粗タンパク質水準の低下により必須
アミノ酸が不足するので、要求量を満たすようにリジン、メチオニン及び
トレオニンを添加した。
なお、前期及び後期開始時体重は72.5±3.6及び75.8±4.5kgであった。
  1. 低リン・低タンパク質飼料(以下、低PN飼料)にフィターゼ及び必須アミノ酸を
    添加した場合、前期及び後期ともに、窒素排泄量は約35%程度低減され、リン
    排泄量も約42~46%程度低減された(表3)。
  2. 低PN+必須アミノ酸添加飼料にフィターゼを添加したB区のリン消化率は、
    フィターゼを添加していないA区に比べて約166~189%まで向上し
    (表3)、大幅なリン消化率の向上がみられた。
  3. 去勢の背脂肪(背)は、標準区に比べて低PN飼料にフィターゼ及び必須アミノ酸を
    添加したB区が有意に厚くなり、上物率は、去勢及び雌ともに、標準区で50%、
    低PN飼料にフィターゼ及び必須アミノ酸を添加したB区で0%であった
    (表4)。
  4. 今後、家畜糞尿処理への対応がますます厳しくなることが予想されるなか、
    この技術は、環境を保全する上で極めて重要であり、また、「環境へのやさしさ」
    や「エコロジー」をキーワードとするこれからの時代の養豚経営には、たいへんに
    有効な手法である。
成果の活用面・留意点 低タンパク質飼料の給与は、脂肪を蓄積する可能性があり、上物率の低下を招く
ことから、タンパク質水準及び必須アミノ酸添加量の決定については、十分な
検討が必要である。
図表1 231550-1.gif
図表2 231550-2.gif
図表3 231550-3.gif
図表4 231550-4.gif
カテゴリ 管理技術 経営管理 飼育技術 飼料設計

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