タイトル |
リンゴにおける新害虫ツマグロアオカスミカメの発生とその被害の確認 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
浅利正義
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発行年度 |
2000 |
要約 |
秋田県鹿角市においてツマグロアオカスミカメによるリンゴへの加害が確認された。被害の症状は、葉では多数のせん孔が生じ、幼果では窪みや奇形、サビの形成が見られた。
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背景・ねらい |
2000年6月上旬に、秋田県鹿角市のリンゴ樹の葉及び果実に、原因不明の障害が発生し、現地調査を行った。その結果、新梢先端部に寄生していた昆虫を認めたので、この個体を捕獲し加害の有無を確認するため放飼試験を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 被害の症状は、葉で多数のせん孔が生じ、伸長中の新梢先端部には新しい吸汁痕が多数認められた(図1)。また、近くの果実(幼果)には、吸汁による窪みや奇形、サビの形成が多く認められた(図1)。
- 1葉当たり、1果当たりの吸汁痕数が著しく多かった。多発圃場において発生量を調査した結果、被害葉そう率56.2%、被害果率43.4%であり、被害程度が高かった。被害は、同一圃場においても樹あるいは枝によって差があり、葉の被害量が多い樹あるいは枝では果実の被害量も多かった(図2)。
- 発生圃場から、新梢先端部に寄生していた昆虫10個体を捕獲し、放飼試験を行った結果、現地圃場と同様な症状が葉及び果実に認められた。放飼試験では、一夜で展葉中の若い葉に多数の吸汁痕を形成し、果実では放飼5日後頃に軽微な吸汁痕が認められた。
- この個体の種の同定を、北海道教育大学の安永智秀博士に依頼した結果、ツマグロアオカスミカメLygocoris(Apolygus)spinolae(Meyer-Dur)と同定された。
- 本種は、ナス、トマト、ピーマン、トウガラシやウリ類などの野菜、ダイズやマメ科牧草、カンキツ、カキ、ブドウなどの果樹を加害することが知られていたが、リンゴでの加害の確認は初めてである。
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成果の活用面・留意点 |
- リンゴ樹における発生生態及び防除対策はまだ確立されていないので、今後早期に主な寄主植物、発生動向、有効と思われる薬剤の選抜などの試験が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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