タイトル |
キク直挿し作業機 |
担当機関 |
宮城県農業センター(農業 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
園芸総合研究所 情報経営部 大泉眞由美
宮城県農業
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発行年度 |
2000 |
要約 |
きくの挿し穂を直接本圃に定植する直挿し栽培において、作業者2人が供給した挿し穂を精度良く植え付けることが可能なきく直挿し作業機を開発した。この作業機による作業精度は良好で、作業時間では現行直挿し作業を約35%省力化できる。また、手作業に比べ下肢の筋負担を大きく低減し、軽労化できる。
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背景・ねらい |
宮城県の花き部門の主要作目であるきく栽培において、栽培の効率化を図るため育苗を省略できる直挿し栽培法が普及しつつある。しかしながら、当該栽培法は手作業が主で作業能率が低く労働負担も大きい。そこで、作業能率の向上と労働負担の軽減を図るため、直挿し作業機を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 作業機の特徴
・短い形状の苗やきくのような不定形苗を、精度良く搬送する供給機構(図1)を付加した作業機である。 ・1工程2条、往復4条の植え付けが可能な前進作業機である。 ・株間はワンタッチ式ピッチベルトで調整できる。 - 作業内容
・作業者2人が乗車して挿し穂を供給する。また、機体の制御は右側に乗車した作業者が足元で行う。 - 作業精度
・畝高12.8㎝の条件下では、挿し穂を株間11.8㎝(目標12㎝)植え付け深32㎜、植え付け姿勢は直立が92%、60~45°が8%、転びは0%で植え付けることが可能である(図2)。植え付け姿勢60~45°は実用上問題ない範囲である。 - 作業時間
・作業速度は0.06m/秒で、直挿し作業機による全体の作業時間は14.7時間/10a(畝幅80㎝×15畝×奥行き48m)と、現行直挿し作業(22.9時間)の約65%になる(表1)。 - 作業負担の軽減状況
・機械植え作業は、従来の手植え作業(図3)に比べて、下肢右前脛骨筋の筋負担をおよそ5分の1に軽減できる(図4)。また、上体傾斜角(上半身を前傾させる角度)も機械植えで小さい(図5)。 - 機械の主要諸元
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成果の活用面・留意点 |
- 比較的短い苗の定植に活用可能である。
- 植え付け時は、機体が植え付け面と水平になるよう留意すること。
- 平畝では、機体の直進性を得るため予め空走行を行うこと。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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図表7 |
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カテゴリ |
育苗
きく
軽労化
栽培技術
省力化
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