タイトル | 改良型複合交信攪乱剤を用いたリンゴ主要害虫の防除 |
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担当機関 | 福島果樹試 |
研究期間 | 1999~2001 |
研究担当者 |
阿部憲義 岡崎一博 荒川昭弘 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 新しく開発された複合交信攪乱剤(コンフューザーR)は、ハマキムシ類に対する効果が従来の製剤よりも改善され、シンクイムシ類に対しては従来の製剤と同等である。また、キンモンホソガ対応成分が取り除かれた影響も認められない。 |
キーワード | 性フェロモン、ハマキムシ類、改良型複合交信攪乱剤、安価、労力軽減、IPM |
背景・ねらい | 複合交信攪乱剤は、果樹害虫の総合的害虫管理体系を構築するうえで、核となる防除資材である。リンゴでは従来の製剤(コンフューザーA)を利用した殺虫剤削減技術が一部地域で定着しつつある。しかしながら、従来の製剤は高価であり、普及の妨げになっていた。防除コストの低減を含め、これまでの製剤の欠点を改良した新製剤(コンフューザーR、以下OTP-R剤と記す)を用いて防除法およびその効果を検証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ハマキムシ類に対して、従来の単一成分から6成分に増強された(表1)。そのため、リンゴコカクモンハマキやチャハマキに対する交信攪乱効果は、従来の製剤よりも強化され、安定した防除効果が認められる(表2、3)。 2. ナシヒメシンクイおよびモモシンクイガに対しては、従来の製剤と同様に安定した防除効果が認められる(表3)。 3. OTP-R剤は、キンモンホソガの有効成分が取り除かれているが、アセタミプリド水溶剤やフルフェノクスロン乳剤等を使用する従来の殺虫剤削減防除体系で対応可能である(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. OTP-R剤は、アルミ線が取り除かれツインチューブタイプとなり、処理本数が100本/10aと従来製剤の半分になった。そのため、取り付け時間や回収廃棄の時間を大幅に短縮でき、労力軽減がはかられる(表1、図1)。 2. OTP-R剤は、キンモンホソガの交信攪乱成分を取り除いたことで安価となり、防除コストを大幅に低減できる(表1)。 3. ハマキムシ類に対する殺虫剤の投入回数をさらに低減できる。 4. 殺虫剤による補完防除は、害虫の発生状況を十分に見極めながら行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 コスト 性フェロモン 防除 もも りんご |