タイトル | 山形県におけるカキ「平核無」のヘタ出し樹上脱渋方法での処理時期と収穫時期 |
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担当機関 | 山形県砂丘農試 |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
本間禎明 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 山形県においてカキ「平核無」果実を、固形アルコール剤を入れたポリ袋でヘタを袋に包まないで被覆する「ヘタ出し樹上脱渋処理」を行う場合、処理適期は満開後110日頃・平均果頂色2.0弱の時期である。この処理をした果実の収穫期の目安は、果頂色で6.5からである。 |
キーワード | カキ、「平核無」、樹上脱渋 |
背景・ねらい | カキ樹上脱渋法によりつくられた果実は、硬肉で褐斑(ゴマ)が入る独特の肉質となることから注目され、特産商品として現在いくつかの産地で実用化されている。山形県は、カキ経済栽培の北限にあたり、果実生育期間が他産地より短いため、暖地で一般的に行われている樹上脱渋の手法をそのまま用いたのでは、果実品質が劣り、十分な商品性が期待できない。そのため、山形をはじめとした寒冷地において、「平核無」を用いた樹上脱渋果による新規販売を目指すうえでの、最適な樹上脱渋の処理方法、収穫時期等について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. カキ「平核無」果実を満開後110日頃に、固形アルコール剤を入れたポリ袋No.11(0.03mm厚、20cm×30cm)をかけ、輪ゴムでヘタの付け根に止めて2日間被袋処理した後、ポリ袋の下部を切って固形アルコールを除去する。果実は収穫期まで樹上に置くことによって、樹上脱渋された状態で収穫できる(図1)。 2. 満開後110日より10日程度早い時期までの処理ならば、80%以上の健全果収穫が期待できるが、満開後110日より5日以上遅れると、汚損により健全果率が急激に低下する。処理する固形アルコール量は、少量であるほど障害果の発生が少なく、1.9gが実用上適する(図2)。 3. 最も健全果率の高かった、満開後110日頃の平均果頂色は2002、2003年の2ヵ年とも2.0弱(平核無カラーチャート)であったことから、果頂色が満開後日数とともに処理適期判定の目安となる(図3)。 4. 樹上脱渋果実の収穫直後の糖度は、同程度の果皮着色で収穫した通常果実の脱渋後可食期の糖度よりやや低いため、通常の果実より着色が進んでから収穫した方がよく、糖度15%を目標とした場合、概ね果頂部着色6.5からが収穫の目安となる(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ヘタ出し袋かけの方法は、群馬園試(2002)の手法を用いた。 2. 固形アルコール被袋中の降雨によって、アルコールが完全に浸水するほどの水がポリ袋内に入ると、脱渋が不十分な場合がある。 |
カテゴリ | かき カラー ごま 障害果 |