タイトル | ほうれんそう調製機に適応するほうれんそうの形質 |
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担当機関 | 岩手農研セ |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
高橋昭喜 |
発行年度 | 2003 |
要約 | ほうれんそう調製機を用いた調製作業において、本葉第1・2葉高が13cm未満、かつ本葉第3・4葉高が19cm以上であれば、第1・2本葉除去株率は60%以上で、損傷株率は60%未満となり、調製機の標準設定に適応できる。 |
キーワード | ホウレンソウ、調製機適応性、葉高、除去株率、損傷株率 |
背景・ねらい | ほうれんそう調製機は、根切り、下葉取りなどの調製作業が省力化できることから、雨よけほうれんそう産地を中心に導入が進み、平成15年度現在で約170台が使われている。また、従来の機械が延べ栽培面積で1ha規模の経営を想定していたのに対し、やや小規模でも導入可能な安価な調製機が平成15年度に開発され、これも導入され始めてきている。しかし、ほうれんそうは産地あるいは時期によって導入品種もさまざまあり、調製機への適応性に差があることが指摘されている。そこで、調製機のより効率的な運用を図るため機械調製に適したほうれんそうの形質について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. ほうれんそう調製機には、下葉のかき取りの深浅を調製できる押さえロールが付いており、標準設定では根切断用回転歯から15cmの位置になっている(図1)。 2. 不要葉である子葉の除去株率、本葉第1・2葉の除去株率(以下、除去株率とする)、本葉3葉以降の損傷もしくはロスの発生株率(以下、損傷株率とする)を基準に標準設定での調製機への適応性を判断するために、ほうれんそうの葉高を定義する(図1)。 3. 子葉の除去株率は形質に関係なく高い(表1)。 4. 本葉第1・2葉の除去株率は、葉高が低いほど高くなる(図2)。 5. 損傷株率は、本葉第3・4葉高が高いほど低くなる(図3)。 6. 除去株率を60%以上、損傷株率を60%未満とした場合、本葉第1・2葉高が13cm未満、かつ本葉第3・4葉高が19cm以上であれば適応性が高い(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ほうれんそうの草丈が25~28cmのものに適応できる。 2. 損傷株率が60%以上発生する場合は、押さえロール位置を回転切断刃から15cm未満に、除去株率60%以下の場合は15cm以上に設定する必要がある。 3. ほうれんそうの形質は品種のみならず、同一品種でも作型、栽培条件により異なることから、調製機適応性判定を行う際は葉高の実測による確認が必要である。 |
カテゴリ | 経営管理 栽培条件 省力化 品種 ほうれんそう |