タイトル | 有機栽培および慣行栽培ホウレンソウのβ-カロテン含量 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
村山 徹 宮沢佳恵 長谷川浩 古川勇一郎 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 福島、栃木県内の秋冬作露地栽培ホウレンソウのβ-カロテン含量は、有機栽培より慣行栽培で生産されたものの方が有意に高い。それには、土壌と肥料の種類の違いがそれぞれ関与している。 |
キーワード | ホウレンソウ、有機栽培、β-カロテン |
背景・ねらい | 消費者の漠然とした自然志向、安全志向と相まって、有機農産物は優れているという意識が定着しつつある。しかし、その科学的根拠は必ずしも明確ではなく、イメージ先行の状態が続いている。これまで、解明を試みようと数多くの試験がなされてきたが、必ずしも一般の認知は得られていない。その原因の一つは、生産者や消費者に試験圃場と現地圃場で生産された有機農産物は同一ではないという認識があることと考えられる。そこで、長年にわたって有機栽培に取り組んできた農家が生産した野菜の品質を評価し、科学的な解明の一助とする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 2003年および2004年に福島、栃木県内において栽培された秋冬作ホウレンソウのβ-カロテン含量は、有機栽培と慣行栽培の間に有意な差がみられ、慣行栽培での含量が高い(表1)。アスコルビン酸、硝酸、シュウ酸、ショ糖、各種アミノ酸含量については、両者の間に有意な差は認められない(表2)。 2. 現地有機栽培農家圃場の土(腐植質黒ボク土)と肥料(鶏糞N20g/m表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ホウレンソウのサンプリングは近接する地域の有機および慣行栽培を対にして早朝に行い、品質分析はその日の午後に行った。 2. 対象とした有機栽培農家としては、無農薬で有機質肥料のみを施用する農家を選定した。慣行栽培農家は、農薬散布についてのこだわりはなく、化学肥料を用いているが、土壌改良資材としての堆肥等は施用している。 3. プランター栽培試験で用いた土壌の化学性を表4に示す。東北農研場内の慣行土壌は、少なくとも過去5年間は有機質を施用しておらず、2003年に慣行として化学肥料のみでホウレンソウを栽培した圃場のものである。 4. この試験結果は限られた地域における一定期間の作型を対象としたもので、有機栽培と慣行栽培に普遍的な優劣を付けるものではない。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 有機栽培 土づくり 肥料 病害虫 有機農産物 土壌改良 鶏 農薬 ほうれんそう |