卵用鶏に対するカルシウム給源としてのホタテ貝殻の利用

タイトル 卵用鶏に対するカルシウム給源としてのホタテ貝殻の利用
担当機関 青森農林総研畜試
研究期間 2004~2005
研究担当者 貝森一夫
廣田聡子
西藤克己
発行年度 2005
要約 ホタテ貝殻は卵用鶏のカルシウム給源として石灰石及びカキ殻と同様に利用可能である。
キーワード 卵用鶏、卵殻質、産卵率、飼料摂取量、ホタテ貝殻、カルシウム
背景・ねらい むつ湾におけるホタテ貝養殖は年間約6万トンのホタテ貝殻を産出する。そのうち約3万トンは廃棄されおり、これらの有効利用あるいは処理が課題となっている。
ホタテ貝殻のカルシウムは吸収率が良好であるため、有用なカルシウム給源とされている(日本女子大学、2000)。しかし、塩分を含むことや産地が東北の一部及び北海道に限定されるため利用が進んでいない。近年、野積みにより脱塩した貝殻粉末が有機質土壌改良剤として利用されている。粒度を大きくした粉砕物は卵用鶏のカルシウム給源として有望である。
そこで、卵用鶏に脱塩しかつ粒度を大きくしたホタテ貝殻粉砕物を給与した場合の生産性及び卵殻に及ぼす影響を調査し、カルシウム給源としての有効性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ホタテ貝殻の炭酸カルシウム含量 96.68%(参考:かき殻89.30%)
  2. ホタテ貝殻の給与方法
    1. 形状 5mm~1㎝(写真1)
    2. 配合率
      1. 飼料中カルシウム含量が3.04~3.33%になるように配合する。
      2. カルシウム給源がホタテ貝殻だけの場合9%程度配合する。
      3. 卵殻質が悪化する夏季や産卵後期においては飼料への配合に加えて、ホタテ貝殻を単独に給与し、鶏に自由摂取させる。
    3. 給与期間:産卵期間
  3. ホタテ貝殻の給与効果
    1. 生存率、ヘンデイ産卵率、飼料摂取量、増体重、卵殻質、破卵率、軟卵率は石灰石及びカキ殻給与と差がない(表1、表2)。
    2. 卵1㎏生産に要する飼料費は105円で、石灰石より4円高く、カキ殻より2円安い(表1)。
  4. ホタテ貝殻の入手先及び資源量
    青森市(有)ふるさと物産 TEL017-728-8600
    資源量:300~400万トン
成果の活用面・留意点
  1. ホタテ貝殻の有効利用が図られる。
  2. 地域飼料資源を使った鶏卵として差別化に使える。
図表1 232347-1.gif
図表2 232347-2.gif
図表3 232347-3.gif
カテゴリ かき 土壌改良

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