モモ樹の貯蔵養分簡易診断法の開発

タイトル モモ樹の貯蔵養分簡易診断法の開発
担当機関 福島果樹試
研究期間 2000~2003
研究担当者 星 保宜
額田光彦
大橋義孝
高野靖洋
加藤公道
発行年度 2005
要約 落葉後に枝を採取し、ごく簡易な方法でNPS(ニンヒドリン陽性物質)含量を測定することにより、モモ樹の初期生育を推定することが可能である。
背景・ねらい モモ園では不順天候や園地の老朽化による樹勢の低下、それに伴う収量減が問題となっており、的確な肥培管理のための簡易な栄養診断法の開発が求められている。そこで、モモ樹の生育及び果実品質に影響の大きな影響を及ぼす貯蔵養分について、初期生育と最も関係の深い養分の種類を明らかにし、その簡易な診断法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ニンヒドリン比色反応による簡易法で測定した枝中のNPS(ニンヒドリン陽性物質)含量は、アミノ酸含量及び全窒素含有率との相関が極めて高く、モモ樹の窒素栄養状態の有効な指標である(図1、図2)。
  2. 落葉後の枝中NPS含量が多い樹では、翌年満開30日後の幼果(果実)重、新梢長等の初期生育が良好である。(図3)。
  3. 枝の採取時期は落葉後から11月下旬までとし、枝は長さ10cm程度伸長した新梢を用い、二次伸長した枝は避け、樹冠外周部から平均的に15本/樹程度採取する。
  4. 生枝を用いた迅速(超簡易)法はやや精度は劣るが、迅速な分析が必要な場合は有効である。(図4)
成果の活用面・留意点
  1. 簡易法では精度は高いが測定には数日を要する。一方、迅速法では水分を考慮しなければ試料採取当日の分析も可能であるが、生枝の水分率によりおおよそ8%程度の誤差が生じることがある。
  2. したがって、現地農家でおおよその値を迅速に把握したい場合は迅速法、指導機関で年次間差や地域の傾向を把握するような場合は簡易法で行う等、使い分けるとよい。
図表1 232377-1.gif
図表2 232377-2.gif
図表3 232377-3.gif
カテゴリ 肥料 栄養診断 簡易診断 肥培管理 もも

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