農業組織が認識している品質・環境マネジメントシステムの導入効果

タイトル 農業組織が認識している品質・環境マネジメントシステムの導入効果
担当機関 宮城農園研
研究期間 2004~2005
研究担当者 横田悦子
小池修
泉澤弘子
発行年度 2005
要約 農業組織が認識している品質・環境マネジメントシステム導入の主な効果は、組織体質改善である。効果を得るための要件は、参加型トップマネジメント体制、業務工程の明確化、教育訓練、文書化である。
キーワード 品質・環境マネジメントシステム、組織体質改善、ISO9001、ISO14001
背景・ねらい 農産物の安全・安心確保や農業の環境負荷低減を目指して、ISO9001(品質)、ISO14001(環境)といったマネジメントシステム(以下MS)を認証取得する農業組織(農協、農業法人等)が徐々に増加している。しかし、その実態は不明な部分が多く、これからMSの導入を検討する農業組織が得られる情報は少ない。そこで、MSの認証を取得している組織が、どのような効果と問題を認識しているかを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. いずれのMSも「農家・職員等の意識向上」の効果があり(表1)、その結果として組織体質改善につながることが認識されている(表2)。意識向上の要因としては、教育訓練の実施、外部審査という第三者の目が入ること、さらにはMS活動そのものが指摘されている(データ略)。
  2. ISO14001はコストダウンにつながることを認識している組織が多い(表2)。
  3. 導入時の問題としては、「マニュアル・手順書作成」などの文書化、「農家・職員等の理解を得る」ことをあげる組織が多い。導入後には、「文書作成・記録にかかる労力」、認証取得にかかる「多額の費用」を問題とする組織が多い(表1)。
  4. MS構築時に重要な要件は、1:各人員の責任・権限等「役割の明確化」と必要な力量を身につける「教育訓練」、2:業務工程を細かく分解し組み立てる「プロセスの明確化」、3:「文書化」では内容がわかりやすく量の少ないこと、である。
  5. 構築したMSを効果的に運用するために必要な要件は、「職員等の意識高揚と参加」と「トップの強い意志」を同時に実現する「参加型トップマネジメント体制」を構築することである(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本調査は、MSの認証を取得している全国の農業組織51か所に対して、各組織のMS管理責任者に対する郵送アンケートを平成17年1月に行い、回答の得られた22か所の結果をまとめたものである。データは聞き取り調査と組織資料収集で補足している。回答組織の内訳は、農協系12か所、農業法人7か所、行政と農協等の結合体3か所である。
図表1 232381-1.gif
図表2 232381-2.gif
カテゴリ 環境負荷低減 コスト

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