トマト雨よけ夏秋栽培におけるスティック肥料の追肥効果

タイトル トマト雨よけ夏秋栽培におけるスティック肥料の追肥効果
担当機関 山形県最上総合支庁
研究期間 2002~2004
研究担当者 石山久悦
発行年度 2005
要約 トマト雨よけ夏秋栽培において、第6~7花房開花期に追肥としてスティック肥料(緩効性肥料などを封入した打ち込み肥料)を4株間1箇所に1回施用することで、草勢が安定して商品収量が慣行と同等となる。溶出40日緩効性肥料を用いたスティック肥料では、株当り窒素成分5gの追肥で商品収量が慣行と同等となる。スティック肥料を追肥に用いた場合の利用率は70%である。
キーワード トマト、雨よけ夏秋栽培、スティック肥料、窒素吸収量
背景・ねらい トマトの雨よけ夏秋栽培では、夏期の高温期に草勢等を維持し、長期間安定して生産することが課題となっている。そこで、容易に草勢維持などの管理が可能で、長期に収量、品質の安定した生産を図るために、スティック肥料を用いて、同肥料の種類及び施肥法、施肥量と効果等について検討した。
成果の内容・特徴
  1. トマト雨よけ夏秋栽培において、スティック肥料を4株間1箇所に(2条植えの場合、条間、株間の4株間中央)、追肥として第6~7花房開花期に1回のみ施用する(図1)ことにより、草勢が安定して、商品収量は慣行(液肥による追肥)と同等となる(表1)。この場合a当り約50本のスティック肥料が必要であり、作業時間は5.4時間/10a(穴あけ作業含む)である。
  2. 5月上旬定植の作型において追肥を行う場合、溶出40日緩効性肥料を用いたスティック肥料(タイプ2)では、株当り窒素成分量5gの施用(a当り1.0kg)で、商品収量が慣行と同等となる(表2)。
  3. スティック肥料の追肥により肥料周囲に根域の誘導が図られるため、株当り窒素吸収量は2.6gで、利用率は施肥量に対し70%、溶出量に対し78%となる(表3、図2) (タイプ1の場合)。
成果の活用面・留意点
  1. スティック肥料は緩効性肥料などを特殊な紙製の筒に詰め封入したもので、タイプ1:70日タイプの硝安系被覆肥料を封入、タイプ2:40日タイプの硝安系被覆肥料を封入した。
  2. 基肥は、緩効性肥料100日タイプ(放物線型)を窒素成分で15~20kg/10a施用(当地域慣行)した。
  3. 打ち込み肥料の追肥作業は、マルチの上からハンマーで直接打ち込むことも可能であるが、土壌条件によっては予め穴を開けてから打ち込む必要がある。
  4. この肥料の追肥により肥料周囲に根域の誘導が図られるので、肥料が均一に溶出、拡散し、安定して吸収されるように肥料周囲の土壌の水分含量に留意する(図1、栽培概要参考)。
図表1 232409-1.gif
図表2 232409-2.gif
図表3 232409-3.gif
図表4 232409-4.gif
図表5 232409-5.gif
カテゴリ 肥料 栽培技術 施肥 トマト

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