ライフスタイル分析によってわかる消費者の農産物購入の特徴

タイトル ライフスタイル分析によってわかる消費者の農産物購入の特徴
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2002~2005
研究担当者 磯島昭代
発行年度 2005
要約 農産物購入に関する価値意識によって消費者を3つの意識タイプに分類する。「品質・伝統」型は県内特定地域産の農産物を、「無関心」型は特売の農産物を、「バランス」型は付加価値のある農産物をよく購入する傾向にある。
背景・ねらい
食料消費の成熟化により、消費者の農産物に対するニーズは多様化している。こうした消費者のニーズを的確に把握し販売戦略に活用するためには、消費者の購買行動の背景となる価値意識まで視野にいれた分析が必要である。そこで、農産物の購入に関するライフスタイル分析によって市場細分化を行い、消費者の意識タイプ別に購入する農産物の特徴を明らかにする。

成果の内容・特徴 1. 農産物購入に関する消費者の価値意識を明らかにするための質問項目を設定した。食事や料理、食材の購入、農業や環境などに関する考えおよび態度を尋ねる「農産物購入に関するライフスタイル項目」(17項目)である(表1)。
2. アンケート調査(2003年6月、いわて生協組合員221名、有効回答率73.7%)の結果に因子分析を適用し、農産物購入に関する価値意識の基本因子を抽出した(表1)。「健康・安全・環境」因子、「料理エンジョイ」因子、「安値重視」因子、「非伝統」因子の4因子である。
3. 抽出した4因子の因子得点にクラスター分析を適用し、回答者を3つの意識タイプに分類した(表2)。
4. 1つめのタイプは「健康・安全・環境」因子の得点が高く「安値重視」因子および「非伝統」因子がマイナスの数値を示すので「品質・伝統」型、2つめのタイプは全ての因子の得点がマイナスもしくは絶対値が小さいので「無関心」型、3つめのタイプは全ての因子の得点が高いので「バランス」型とした。
5. 各意識タイプ別に回答者の属性をみると、「品質・伝統」型は40∼50代以上で子どものいない2人世帯が、「無関心」型は20∼30代で乳幼児のいる3人世帯が、「バランス」型は30代で小学生以上の子どもがいる4人以上の世帯が多い(表省略)。
6. 各意識タイプにもとづいて市場細分化を行う。図1は意識タイプと「よく購入する」農産物の関係をコレスポンデンス分析で示したものである。
7. 「品質・伝統」型は玄米や胚芽精米、寒締めホウレンソウなど自然志向の農産物や県内の特定地域で生産された農産物、減農薬栽培など栽培方法にこだわった農産物を購入する傾向にある。
8. 「無関心」型は特売の農産物をよく購入しており、サラダホウレンソウや冷凍ホウレンソウなど比較的調理が簡単な農産物の購入も多い。
9. 「バランス」型は栄養価の高い米や100%リンゴジュースなど効率よく栄養成分を摂取できる農産物や、完熟リンゴや蜜入りリンゴなど付加価値のある農産物をよく購入する傾向にあることがわかる。


成果の活用面・留意点
1. 農産物の販売ターゲットを絞り込む際の参考となる。
2. 対象となる消費者層によっては、異なる基本因子・意識タイプの抽出が予想される。

図表1 232471-1.gif
図表2 232471-2.gif
図表3 232471-3.gif
カテゴリ 病害虫 農薬 ほうれんそう りんご

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