タイトル |
外観品質に優れた良食味そば新品種候補「会津3号」 |
担当機関 |
福島農総セ |
研究期間 |
2002~2006 |
研究担当者 |
渡部隆
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発行年度 |
2006 |
要約 |
そば「会津3号」は、福島県の在来種「下郷町在来」から選抜育成された系統で、外観品質に優れ、収量・食味とも「信濃1号」に優る。
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キーワード |
そば、新品種、会津3号、外観品質、収量、食味
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背景・ねらい |
福島県会津地方は全国屈指のそば産地であるが、全国の主要なそば産地の中で唯一独自品種を持たず、地域ごとの在来種が栽培されている。このため、品質のばらつきが大きく、生産が不安定なことが、そば生産・販売上の課題となっている。これらの現状を打開するため、福島県オリジナル品種の育成に対する要望が生産者及び実需者から出されている。そこで、会津地方の在来種を育成素材として、会津地方に適した外観品質、食味等に優れた優良系統を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- そば「会津3号」は、福島県農業総合センター会津地域研究所において、福島県の在来種である「下郷町在来」を育成素材として、2002年から選抜を開始し、2006年に育成を完了した系統である。
- 生態型は中間秋型で、開花期は「信濃1号」並み、成熟期は「信濃1号」よりやや早い(表1)。
- 草型は直立分枝伸長型で、「信濃1号」に比べて、草丈は短く、主茎節数はやや少なく、分枝数は並み~やや多い(表1)。
- 収量、容積重ともに「信濃1号」に優る(表1)。
- 粒大は「信濃1号」よりやや小さいが、粒張りが良く、千粒重は「信濃1号」並みで、外観品質は「信濃1号」に優る(表1、表3、写真1)。
- 食味は「信濃1号」に優る(表2)。
- 育成素材である「下郷町在来」とは、粒形が異なることや、千粒重、容積重が大きいことで区別できる(表1、表3、写真1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は、会津地方を中心とした福島県内全域で、普及見込み面積は1,000ha程度である。
- 特性を維持するため、計画的に種子更新する。
- 施肥法は、慣行栽培に準じる。
- 耐湿性は改善されていないことから、十分な排水対策を行い、安定生産に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
新品種
施肥
そば
耐湿性
品種
良食味
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