タイトル |
ACLSV普通系に対するリンゴJM1台木の反応特性 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所 |
研究期間 |
1997~2005 |
研究担当者 |
猫塚修一
|
発行年度 |
2006 |
要約 |
ACLSV普通系を保毒した穂木を接ぎ木して作製したJM1台苗木は、マルバカイドウ台に比べて明瞭な高接病の病徴を示す。本病を簡便に診断するには、生育2年目までの新梢の伸びと台木木部の病徴を指標とする。
|
キーワード |
リンゴ、JM1、ACLSV普通系、高接病
|
背景・ねらい |
岩手県内の苗木生産圃場においてJM1台苗木の一部に生育不良が発生している。その原因を調査したところ、Apple chlorotic leaf spot virus(ACLSV)普通系によるリンゴ高接病であることが明らかになった。本病は、かつては普通樹栽培で大きな問題になったが、抵抗性のM系台木によるわい化栽培の導入以降は発生していない。そこで、 ACLSV普通系に対するJM1台木の反応特性について検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- ACLSV普通系を保毒した穂木を接ぎ木したJM1台苗木は、マルバカイドウ台に比べて明瞭な病徴を示す。即ち、新梢長は著しく短く、接ぎ木部付近の台木木部には、ピッティング(縦縞状の細長い溝)を多数生じる(図1、図2、表1)。
- 栽培期間と病徴との関係は、1年目より2年目が明瞭である(図2、表1)。
- 本病を簡便に診断するためには、生育2年目までの新梢長と、接ぎ木部付近の台木木部の病徴を指標とする。
|
成果の活用面・留意点 |
- 本病の被害を防ぐためには、検定済みの採穂母樹を用いるか、抵抗性台木を利用する。
- 本病の正確な診断には、温室内でマルバカイドウMO-84aによる生物検定を実施する。
- 樹皮を剥ぐには、電子レンジもしくは圧力釜を利用すると容易にできる。電子レンジでは、ジッパー付き保存袋にサンプルを入れ、軽く浸る程度に水道水を入れる。電子レンジで500W、水が沸騰し着色するまで(2~3分)加熱する。圧力釜では、沸騰後5分間維持する。
- JM7は、ACLSV普通系に対して感受性と考えられてきたが、最近になって抵抗性であることが明らかになった。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
台木
接ぎ木
抵抗性
苗木生産
りんご
わい化
|