改良型複合交信かく乱剤コンフューザーMMを利用したモモ害虫防除

タイトル 改良型複合交信かく乱剤コンフューザーMMを利用したモモ害虫防除
担当機関 福島農総セ
研究期間 2005~2005
研究担当者 荒川弘昭
相原隆志
阿部憲義
発行年度 2006
要約 コンフューザーPに対する抵抗性が発現したリンゴコカクモンハマキ対策として、ハマキムシ類に対する成分を強化したコンフューザーMMが登場した。本剤を試験した結果、抵抗性のリンゴコカクモンハマキに対する交信かく乱効果が確認された。
キーワード モモ、リンゴコカクモンハマキ、交信かく乱剤、コンフューザーMM
背景・ねらい 従来、モモ用の複合交信かく乱剤としてコンフューザーPを使用してきたが、本剤のハマキムシ類成分であるテトラデセニルアセテート(Z-11-14Ac)に対するリンゴコカクモンハマキの抵抗性系統が出現し、十分な交信かく乱効果が得られなくなった。このため、ハマキムシ類に対する交信かく乱成分をリンゴコカクモンハマキの性フェロモン主成分である Z-9-14Acを含むトートリルアに置き換えたコンフューザーMMが登録された。
そこで、コンフューザーPに対する抵抗性が発現したリンゴコカクモンハマキが発生している現地ほ場において、本剤の交信かく乱効果を確認する。
成果の内容・特徴
  1. コンフューザーMMを使用し、殺虫剤の使用回数削減(表1)を行ったほ場では、モニタートラップへのリンゴコカクモンハマキの誘殺が見られなくなるとともに(表2)、コンフューザーPを使用した場合よりも本種による被害が減少する(表3)。
  2. 本剤はナシヒメシンクイやモモハモグリガに対しても、コンフューザーPと同等のモニタートラップへの誘引阻害効果がある(表2)。また、被害率もコンフューザーPと同等に低く抑えられる(表3)。
  3. 本剤はコンフューザーPに抵抗性を発現したリンゴコカクモンハマキに対して有効である。本剤を使用することによりリンゴコカクモンハマキ、ナシヒメシンクイおよびモモハモグリガを対象とした殺虫剤の使用回数を慣行の半分以下に削減しても、これらの害虫による被害を抑制することができる。
成果の活用面・留意点
  1. 本剤はモモシンクイガに対する交信かく乱成分を含有し、効果も確認されているが、現在は本種に対して未登録であるので注意する。
  2. 本剤の対象害虫であっても、多発条件下では十分な交信かく乱効果が得られないので、本剤の使用前に害虫の発生密度を十分低下させておく必要がある。
  3. 殺虫剤の削減は交信かく乱剤の対象害虫および対象外害虫の発生状況を確認しながら徐々に進め、急激な削減はしない。
図表1 232537-1.gif
図表2 232537-2.gif
図表3 232537-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 性フェロモン 抵抗性 防除 もも りんご

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる