株間局所送風によりトマト灰色かび病及び葉かび病の発病を抑制できる

タイトル 株間局所送風によりトマト灰色かび病及び葉かび病の発病を抑制できる
担当機関 福島県農業総合センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 中山秀貴
発行年度 2006
要約 トマト株条間に配置したダクトチューブを使用し、株に局所的に送風することで、トマトの灰色かび病や葉かび病の発病を効率的に抑制することができる。比較的小型の送風機での導入が可能なため、導入コストも低い。
キーワード トマト、局所送風、ダクトチューブ、病害抑制、灰色かび病、葉かび病
背景・ねらい 近年、減農薬栽培や有機栽培など、環境保全型農業への関心が高まり、化学農薬に過度に依存しない病害抑制技術が求められている。さらに、トマトハウス栽培においては、殺虫剤の使用回数低減や受粉昆虫の逃亡防止を目的に、防虫網のハウス開口部展張が広く普及しているが、通気性悪化やハウス内湿度の上昇などにより、病害発生のリスクを高めている。これまで、ハウス内の多湿環境改善のために、強制換気システムや内気撹拌扇などが開発、利用されているが、いずれも施設全体の環境を調節する技術であり、導入コストも高額である。
そこで、コストを抑えるため比較的小型の送風機を用い、株間際に局所的に送風し、株周辺の多湿環境を改善し、効率的に病害発生を抑制する技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 株間局所送風装置は、送風機にダクトチューブを接続し、ダクトチューブにはトマトの株間と同じ間隔で4方向に噴出口(径約5mm)を開けたものである。ダクトチューブはトマト条間の下位展開葉の位置(高さ約40cm)に設置する。送風機は24時間稼働し連続的に1~1.5m/s程度の速度の風をトマト株にあてる。(図1)
  2. 株間局所送風の実施によりトマト灰色かび病、葉かび病の発病は抑制される。(図2)
  3. 導入コストは安価であり、導入コストの大部分は送風装置が占める。(表1)
成果の活用面・留意点
  1. 対象が糸状菌による地上部病害であれば、他の病害、作物でも、同様の方法により病害を抑制できる可能性がある。
  2. ダクトチューブの配置は、全株に送風するように設置することが望ましいが、送風機の能力により全ての株に目的の風速で送風することができない場合、病害発生のリスクの高い条間に設置する。
  3. 病害の発生抑制は植物体表面の環境条件改善によると考えられる。
  4. 病害多発生条件下では薬剤による防除が必要となる。
図表1 232603-1.gif
図表2 232603-2.gif
図表3 232603-3.gif
カテゴリ 有機栽培 病害虫 コスト 受粉 トマト 農薬 防除 薬剤

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