タイトル |
微酸系の爽やかな食感を呈するリンゴ新品種「ゆめあかり」 |
担当機関 |
秋田農技セ果試 |
研究期間 |
1987~2004 |
研究担当者 |
佐々木美佐子
佐藤廣
小林香代子
照井真
上田仁悦
丹波仁
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発行年度 |
2007 |
要約 |
リンゴ新品種「ゆめあかり」は、10 月中旬に収穫可能な中~やや大玉の中生種である。腰高の果形に鮮紅の果皮色を呈し、外観は優れる。多汁で緻密な肉質を有し、微酸系の食味である。室温で約2週間、冷蔵(1±1℃)で11 月下旬まで貯蔵可能である。
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キーワード |
新品種、リンゴ、「ゆめあかり」、中生種
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背景・ねらい |
「ふじ」に偏った品種構成を是正するため、本県の気象条件に適し、10 月中旬に収穫可能な市場性の高いオリジナル新品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
- 本品種は、昭和62 年に「はつあき」に「千秋」を交雑し、平成10 年に1次選抜し、翌11 年から現地試験を開始、平成16 年秋に育成を完了した。
- 平成17 年3月、県職務育成品種審査会の承認を経て品種登録申請を行い、平成19年3月15 日に品種登録された。
- 特性
- 本品種の自家不和合性に関与する遺伝子型は、S3 とS7 であり、同様の遺伝子型である「つがる」と「未希ライフ」を除く主要な品種とは、交雑和合性を示す。
- 開花期は「ふじ」とほぼ同時期であり、育成地(横手市)では満開160 日前後(暦日で10 月中旬)に収穫期を迎える(表2)。
- 着色は容易で鮮紅色に着色し、腰高の果形で優れた外観を有する(図1)。
- 花芽の着生および果実肥大は良好で玉揃いも良く、豊産性である。
- 糖酸比35 前後と微酸系の食味であり、肉質が緻密で果汁も多いことから爽やかな食感を呈する。(表1)。
- 常温で約2週間、冷蔵(1±1℃)で11 月一杯貯蔵可能である。収穫時および貯蔵中のワックスの発生程度は、無~微であり、収穫期が遅れてもほとんど発生しない。
- 結実後の早期落果および後期落果は、ともに認められない。
- 通常の防除体系下で特に問題となる病害虫の発生は認められない。
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成果の活用面・留意点 |
- 着色管理に苦労している「ジョナゴールド」を更新対象に導入を図る。
- 樹勢の強い樹では大果になり、400 gを超えるような果実は食味も淡泊になりやすい。このため、本品種はわい性台での栽培が望ましいが、普通台樹へ高接ぎ更新する際は、樹勢の落ち着いた樹に行い、窒素施肥量を減ずるなど適樹勢への誘導に努める。
- 本品種の配布は、今後数年間、秋田県内のみに限る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
新品種
施肥
高接ぎ
品種
防除
良食味
りんご
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