タイトル |
糖度13%、収量4tを実現するナシ新品種「涼豊」の着果管理法 |
担当機関 |
福島農総セ果樹研 |
研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
佐藤 守
大橋義孝
永山宏一
|
発行年度 |
2007 |
要約 |
満開後30 日までに予備・仕上げ一括摘果として4~ 6 番果を対象に3 果叢に1 果を残す。満開後121 日頃に横径が8 cm 以下の果実を対象に修正摘果し、1 平方メートル当たり6~ 8 果の着果量とすることで糖度13%、収量4tを実現できる。
|
キーワード |
ニホンナシ、「涼豊」、摘果、裂果
|
背景・ねらい |
「涼豊」は平成18 年7 月13 日付けで品種登録された( 登録番号第14315 号) 福島県オリジナルナシ新品種である。本品種は、生産性( 大果性)、再生産性( 易腋花芽着生性)、流通性( 貯蔵性)を備えた晩生種である。本研究成果情報は「涼豊」の着果管理法と裂果防止策を明らかにし「涼豊」の栽培マニュアル作成を目指したものである。
|
成果の内容・特徴 |
- 予備・仕上げ一括処理による摘果方法では、2叢に1区の満開後45日摘果で果重及び糖度の低下が著しい。これに対し満開後25日摘果では2叢に1区でも4叢に1区と比較して果重及び糖度の低下は認められない( 表1 ) 。
- 果重は上位番果( 4 - 6 番)でこれより下位の番果の果実より劣るが、糖度では差は認められない。裂果は、1 - 2 番果で発生が多いが上位番果では極めて少ない( データ省略) 。
- 長果枝では果重と糖度間で有意な単回帰関係が認められる( 図1 ) 。また満開後121日( 表2 )横径8 c m以上( データ省略)果実肥大が良好な果実で糖度が高い。
- 裂果は、満開後30日~75日の期間に被袋し75日に除袋した果実で多発し、逆に満開後65日~ 75日に被袋した果実では発生が抑制される。また被袋による一律的な糖度の低下は認められない( 表3 ) 。
- 原木と所内高接ぎ樹の栽培実績から「涼豊」の適正収量は4 ~ 4 . 5t 、適正着果量は1 平方メートル当たり6 ~ 8、標準果重600~650g と推定される( データ省略) 。
|
成果の活用面・留意点 |
- 果実肥大不良果( 500g 以下)では糖度の低下が見られるので満開後100 日から120 日にかけて修正摘果を丁寧に行う。
- 有袋栽培については、裂果や鳥害、虫害等の被害が心配される園で実施する。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
新品種
高接ぎ
鳥害
品種
裂果防止
|