タイトル |
岩手県内で広域的に発生したインパチエンスネクロティックスポットウイルス(INSV)の地域内および圃場内における個体群構造 |
担当機関 |
岩手生工研 |
研究期間 |
1997~2010 |
研究担当者 |
猫塚修一
小林括平
川村浩美
岩舘康哉
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発行年度 |
2007 |
要約 |
岩手県内で発生したINSV は、6 つの遺伝的グループに類別される。INSV が広域的に発生した地域では、地域内で優占する遺伝的グループが存在し、地域毎に優占するグループが異なる。同一圃場内で発生したINSV遺伝的グループは、品目横断的に共通している。
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背景・ねらい |
平成19 年に岩手県内で広域的にインパチエンスネクロティックスポットウイルス(INSV)が各種花き鉢物に発生した。一般に、ウイルス病を効果的に防除するためには、発生源や感染ルートを特定することが重要である。そこで、各品目に発生したINSV伝播経路を推定する目的で分子系統解析を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 岩手県内の5 市9 圃場のべ16 品目に発生した52 試料について、INSVN タンパク質遺伝子の一部をRT-PCR により増幅し、PCR 産物の塩基配列を決定した。分子系統解析の結果、岩手県内で発生したINSV は6 つの遺伝的グループに類別される(図1)。
- INSV が広域的に発生した地域では、地域内で優占する遺伝的グループが存在する。各地域で優占する種類は異なるクラスターに位置し、それぞれ起源が異なると推定される(図1、表1)。
- 同一圃場内で発生したINSV遺伝的グループは、品目横断的に共通している(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 地域内および圃場内に発生したINSV個体群構造を明らかにすることで、植物防疫対策に有益な情報として活用できる。なお、本ウイルスは主に施設花きに発生するため、本成果は気象条件の異なる他地域でも参考にすることができる。
- 本成果を活用することで、岩手県内で広域的に発生したINSV伝播経路を以下のとおり推測することができる。
- INSV は県外の複数ルートから持ち込まれた後、各地域内に広がった。
- 圃場内では、INSV 罹病植物が発生源となり、媒介虫により施設内および屋外の花きに伝播した。
- INSV はミカンキイロアザミウマが高頻度に媒介するほか、罹病親株からの栄養繁殖によっても伝播する。地域内における本ウイルスの伝播様式として生産者間の罹病苗の流通や保毒虫の移動が考えられる。
- 複数の遺伝的グループが存在した圃場a では、起源の異なるINSV が罹病苗を介して持ち込まれ、栄養系鉢物リンドウが保毒して発生源になったと推察する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
繁殖性改善
防除
りんどう
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