タイトル |
光反射資材を織り込んだ防虫網展張による微小害虫の施設内侵入抑制効果 |
担当機関 |
宮城農園研 |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
宮田将秀
増田俊雄
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発行年度 |
2007 |
要約 |
イチゴ四季成り栽培施設において、光反射資材を織り込んだ防虫網を施設開口部に展張することで、アザミウマ類やアブラムシ類の侵入を抑制できる。
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キーワード |
アザミウマ類、アブラムシ類、イチゴ四季成り栽培、光反射資材
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背景・ねらい |
イチゴの四季成り栽培においては、促成栽培に比べて、特にアザミウマ類の発生が多く被害が甚大になるが、栽培期間が長いため、散布回数制限がある薬剤をより効果的に散布しなければならない。さらに、アザミウマ類は薬剤抵抗性の発達が著しいため、薬剤のみに依存した防除は一層困難となっている。そこで、アザミウマ類やアブラムシ類などに対する物理的防除資材の施設内侵入抑制効果を確認し、減農薬栽培技術の確立に資する。
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成果の内容・特徴 |
- イチゴの定植前までに、施設の開口部に光反射資材を織り込んだ防虫網を展張することで、アザミウマ類やアブラムシ類の施設内の侵入を抑制できる(図1、2)。
- 栽培初期のアザミウマ類やアブラムシ類の施設内の侵入は抑制されるので、これらの害虫を対象とした最初の防除を遅延させることができる。
- 光反射資材を織り込んだ防虫網を展張した施設内の気温は、無展張の施設に比べて、夏季に最低気温がやや高くなる傾向があるが(図3)、イチゴの生育や果実品質、収量に影響を及ぼすことはない。
- 本資材の目合いはアザミウマ類やアブラムシ類の体幅よりも大きいが、織り込まれている光反射資材がこれらの害虫の飛翔行動を攪乱する。
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成果の活用面・留意点 |
- 今回使用した資材は「スリムホワイト45」で、光反射資材(デュポンタイベックR)を7.5mm幅のスリット状に、ポリエチレン製モノフィラメントで交織したものである。スリット部の目合いは約1.8×10mmで、45%の遮光率をもつ。幅1m×長さ100mで約39,000円であり、耐用年数は4~5年程度である。
- 本資材は害虫の侵入を完全に阻止するものではなく、また、侵入後の害虫の活動を抑制するものでもないため、圃場内で発生が目立ったら薬剤防除を実施する。
- 小型パイプハウスで本資材を利用する場合、無展張の施設に比べて施設内の最高気温および最低気温がいずれも高くなる傾向があるため、その場合は換気設備を整える。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
いちご
害虫
栽培技術
抵抗性
農薬
微小害虫
防除
薬剤
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