タイトル |
牛ふん籾殻堆肥を20年連用した細粒褐色森林土畑土壌の理化学性の変化 |
担当機関 |
宮城農園研 |
研究期間 |
2005~2009 |
研究担当者 |
菅野敦
宍戸修
新田晃子
|
発行年度 |
2007 |
要約 |
牛ふん籾殻堆肥を20年間連用の露地畑土壌では,可給態リン酸は蓄積するが,硝酸態窒素の残存は少ない。CECが大きくなるため塩基飽和度の変化は少ないが,加里飽和度は高まり塩基バランスが崩れる。土壌のC/N比および仮比重は低くなる。
|
キーワード |
牛ふん籾殻堆肥,連用,可給態リン酸,CEC,加里飽和度
|
背景・ねらい |
家畜排せつ物処理法が施行され,家畜排せつ物の堆肥等としての利用促進が大きな課題となっているが,一方では,過剰施用による環境負荷の問題も指摘されており,環境に負荷を与えない持続可能な堆肥等の合理的な施用技術が求められている。そこで,露地野菜畑における堆肥20 年連用土壌の理化学性の変化を調査する。
|
成果の内容・特徴 |
- 細粒褐色森林土の露地畑で牛ふん籾殻堆肥(表1)を20 年連用すると,可給態リン酸は,堆肥施用量が多いほど蓄積し,堆肥10t/10a 連用により深さ20cm 程度まで100mg/100g 乾土以上となり,明らかに過剰となる(図1)。
- 硝酸態窒素は,堆肥施用量が多いほど深さ20cm 程度まで蓄積し,深さ50cm まで施用量による差が見られるが,全体に低いレベルである。(図2)。
- CEC は深さ10cm までは,堆肥5 t/10a 連用により約4meq/100g,10t/10a 連用により約7meq/100g 大きくなり,深さ20cm までは明らかな増加が認められる(表2)。
- 塩基飽和度,石灰飽和度,苦土飽和度は,堆肥施用量が多くなるとCEC が高まるため,施用量による大きな差は見られない(データ省略)が,加里飽和度は,特に深さ20cmまで施用量増加により高くなり(データ省略),苦土・加里比が改良目標値を下回るなど塩基バランスが崩れる(表2)。
- 全窒素,全炭素は,深さ20cm 程度まで堆肥施用量とともに増加し,C/N 比は低くなる(表3)。
- 仮比重は,堆肥施用量が多くなるほど低くなり,無施用で1.09g/ml が10t/10a 連用では0.92g/ml となる(表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 牛ふん籾殻堆肥を20 年間(1987 ~ 2006 年)連年施用した結果であり,分析値及び栽培履歴は表1のとおりである。
- 堆肥の施用水準は0 t,5t,10t/10a であり,化学肥料無施用の場合を示した。
- 耕起深は約15cm である。
- データは2007 年3月下旬(21 年目施用前)に2回採取した土壌の平均値である。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
図表4 |
|
カテゴリ |
肥料
施用技術
|