GAPに対する消費者評価

タイトル GAPに対する消費者評価
担当機関 宮城農園研
研究期間 2006~2007
研究担当者 高橋真紀
佐藤典子
佐藤祐子
泉澤弘子
大森裕俊
櫻井晃治
発行年度 2008
要約 GAPに取り組み生産された農産物(トマト)に対する消費者評価は、そうでないものより相対的に高くなる。仮にGAP認証取得の外国産農産物(トマト)が流通した場合、消費者評価はGAPに取り組んでいない国産トマトとほぼ同等となる可能性がある。
キーワード GAP、消費者評価、外国産農産物
背景・ねらい 消費者の食の安全・安心への関心が高まる中、農業生産現場においてはGAP(Good Agricultural Practice)に取り組み、安全な農産物生産のための生産管理を実施することが求められている。仙台市及び首都圏在住の宮城農園研登録消費者モニター(以下消費者モニター)に対して郵送アンケートを行い、消費者がGAPに取り組んで生産された農産物を評価するかどうかを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 消費者モニター(仙台、首都圏)のGAPの認知度は低く、意味を含めて知っていた回答者は全体の1割以下だが(データ省略)、GAPの内容について説明後、GAPに取り組んで生産された農産物(トマト)の評価額を2つの質問形式で調査すると、いずれの地区の消費者モニターもGAPに取り組んでいない農産物と比べると高く評価する(表1、2)。
  2. 消費者モニターが農産物(トマト)を選定する際に重視するのは、安全性>環境にやさしい栽培>値段の安さの順となる。安全性の中で重視するのは、農薬(残留が基準を超えないこと)>食品衛生(病原微生物に汚染されていないこと)の順となる(表3)。
    国産・外国産別、GAP認証の有無別の農産物(トマト)に対する評価は、高い順に、「国産GAPあり」>「国産GAPなし」>「韓国産GAPあり」>「韓国産GAPなし」となる。しかし、「国産GAPなし」と「韓国産GAPあり」の差は小さく、「値段の安さ」以外の評価基準(安全性、環境にやさしい栽培)で比較するとほとんど差が認められない(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 行政がGAPを推進する際の参考資料として活用できる。
  2. 本調査は宮城農園研登録消費者モニターへの郵送アンケート調査によるものである。調査時期は、仙台市在住モニターが平成18年11月(配布数319名、回収率68%)及び平成19年10月(配布数359名、回収率68%)、首都圏在住モニターが平成19年8月(配布数269名、回収率84%)である。GAPに取り組んでいる、あるいは認証を有することが購入時にわかる農産物は調査時点でほとんど流通していないが、そのようなものがあるという仮定の上での評価である。
  3. 表1、2における評価額は、GAPに取り組んでいることで通常より多く支払っていいと考える金額である。
  4. 表3、図1の分析にはAHPを用いた。評価基準として、安全性(農薬残留が基準値を超えないこと、病原微生物に汚染されていないこと)、環境にやさしい栽培、値段の安さを設定し、一対比較を行った後、国産、及び海外産(韓国産)トマトにおいて、GAP認証の有無別に各評価基準ごとに5段階で評価してもらった。集計にはC.I<0.1の回答者を用いた。外国産の代表として韓国産を設定したのは、生食用トマトの輸入量(2004~2006年合計)が最も多かったことによる。
  5. トマト以外のGAPに取り組み生産された農産物への消費者評価については、別途検討する必要がある。
図表1 232843-1.png
図表2 232843-2.png
図表3 232843-3.png
図表4 232843-4.png
カテゴリ 病害虫 トマト 農薬 評価基準

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる