タイトル | ナスの果形、果色、茎色、ヘタ色と連鎖するDNAマーカー |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 1998~2000 |
研究担当者 |
吉田建実 布目司 平井正志 |
発行年度 | 2001 |
要約 | RAPDおよびAFLP解析により作成された連鎖地図は全長779.2cM・21連鎖群からなり、開発されたDNAマーカーは有用形質である果形、果色、茎色、ヘタ色と連鎖する。 |
キーワード | ナス・DNAマーカー・連鎖地図・果形・着色形質 |
背景・ねらい | 野菜の育種目標は多岐にわたり、複数の優良形質を集積することが求められている。有用形質と連鎖するDNAマーカーを見出すことができれば、育種年限の短縮や形質の蓄積を効率よく行うことができる。しかしナスは、他のナス科野菜に比べて連鎖地図の作成やDNAマーカーの開発が遅れており、その開発が求められている。そこで、ナスのDNAマーカーの開発に着手し有用形質との連鎖を検索する。 |
成果の内容・特徴 | 1. RAPDおよびAFLP解析により作成されたナスの連鎖地図は、88のRAPDマーカー、93のAFLPマーカーからなる全長779.2cM・21連鎖群で構成される(図1)。 2. 見出されたDNAマーカーは種内の多型性を検出しており、広範囲に適用可能である。 3. QTL解析により見出されたマーカーは、有用形質であるナスの果形、果色、茎色、ヘタ色と連鎖する(図2、表1)。‘ナス中間母本農1号‘と‘WCGR112-8‘とのF2集団を用いた解析では、wAEM53aマーカーが検出されず、eUBC242マーカーが検出される系統の約4割が中長形の果実をつける(図2)。また、eAEM26bマーカーおよびeAEM64aマーカーが検出されない系統は、緑または赤紫の果色を示し、約5割強の系統が緑色の茎色を示す。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 作成された連鎖地図はナスの有用形質と連鎖するDNAマーカーの探索に有効である。 2. RAPDおよびAFLPマーカーは優性マーカーであり、育種選抜に用いるためには特異的なプライマーを設計するなどの検討も必要である。 3. ナスの果形および発色形質と連鎖するDNAマーカーは、より簡便・迅速に育種選抜に用いるためには特異的なプライマーセットを設計し、PCRマーカー化するなどの検討も必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 育種 DNAマーカー なす |