タイトル | 日本に分布するシルバーリーフコナジラミはTYLCVを経卵伝染しない |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
河合章 善正二郎(佐賀県上場営農センター) 北村登史雄 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 日本各地から採集したシルバーリーフコナジラミ3系統とTYLCV2系統のいずれの組み合わせでも、シルバーリーフコナジラミはTYLCVを経卵伝染しない。 |
キーワード | シルバーリーフコナジラミ、トマト黄化葉巻病、TYLCV、経卵伝染、日本 |
背景・ねらい | トマト黄化葉巻病はTYLCV(tomato yellow leaf curl virus)によって引き起こされるトマトの重要病害である。本病が発生したトマトは、株が萎縮し、正常な果実生産が出来なくなるため、適切な防除法の確立が強く求められている。本病は、シルバーリーフコナジラミによって媒介され、近年イスラエルにおいて経卵伝染が起こることが報告された。そこで日本に分布しているシルバーリーフコナジラミとTYLCVの組み合わせでの経卵伝染の有無を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 千葉県から採集したシルバーリーフコナジラミは、イスラエル系統(Is系統)に相同性が高い長崎系統及び佐賀系統、イスラエルマイルド系統(Is-m系統)に相同性が高い静岡系統のTYLCVを経卵伝染しない(表1)。 2. 佐賀県から採集したシルバーリーフコナジラミは、佐賀系統及び静岡系統のTYLCVを経卵伝染しない(表2)。 3. 三重県から採集したシルバーリーフコナジラミは、長崎系統及び静岡系統のTYLCVを経卵伝染しない(表3) 4. 日本に分布しているシルバーリーフコナジラミは、日本に分布しているTYLCVを経卵伝染しない。 |
成果の活用面・留意点 | 1 日本に分布しているシルバーリーフコナジラミは、TYLCVを経卵伝染しないが、一度TYLCVを獲得したシルバーリーフコナジラミ成虫は、強い伝播能力を持つのでTYLCVの発生を抑制するためにはシルバーリーフコナジラミを十分に防除する必要がある。 2 .経卵伝染の確認に用いた方法はイスラエルでのコナジラミによるTYLCVの経卵伝染の報告に準じたものである。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 トマト 防除 |