タイトル | キュウリ果実の硬さの評価法 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
五十嵐勇 |
発行年度 | 2003 |
要約 | キュウリ果実の貫入試験における貫入エネルギー/貫入距離値(TE/D)はキュウリ果実の硬さを表す評価基準として有効である。 |
キーワード | 果実の硬さ、キュウリ、果実貫入エネルギー/貫入距離値(TE/D)、育種 |
背景・ねらい | かつて我が国では‘四葉’、‘夏節成’などの品種は、果肉が硬く、高品質であるとして、生食や漬け物に用いられていた。しかし、これらは果実外観が劣るほか、収量も低いため、現在ではわずかに栽培されているにすぎない。一方、果実外観や生産性を重視した育種が進められた結果、ブルームレスキュウリが流行したが、果皮が硬く、果肉が軟らかくなるとして、その果実品質は必ずしも消費者の支持を得ていない。そこで、果実の硬さに影響する物理的な特性を調査し、その評価法を開発するとともに、育種素材を見出す。 |
成果の内容・特徴 | 1. 測定機器として物性試験機を用い、キュウリ果実を縦に二分し、果皮側から先端部が丸みを帯びた直径2mmの金属棒を速度20mm/minで貫通させ、抵抗値カーブを得る。次に、果実の各部位の抵抗値と各貫入部位の距離より得られる台形部分について、台形面積計算によって果肉部貫入エネルギー(EF)、胎座部貫入エネルギー(EP)及びそれらを合計した果実貫入エネルギー(TE=EF+EP)を算出する。(図1)。 2. 官能検査による評価硬度と最も相関の高い果実硬度構成要素は果実貫入エネルギー(TE)/貫入距離値(D)であり、これまで果実の硬さの評価基準とされてきた果肉部平均硬度よりTE/Dの方が有効である(表1)。 3. 市販品種の‘南極2号’、‘シャープ-1’などはTE/Dが低く、果実が比較的軟らかである。一方、‘四葉’、‘夏節成’はTE/Dが高く硬い。また‘新昌白皮’も系統間で分離があるものの硬い(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. キュウリ果実の硬さの評価法が開発され、高硬度キュウリの育種に利用できる。 2. キュウリの品質要素には、果実の硬さ以外に味覚も重要であるため、総合的に高品質なキュウリ育種の遂行が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 育種 きゅうり 評価基準 評価法 品種 |