タイトル | 侵入害虫トマトハモグリバエに対する各種薬剤の殺虫効果 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
太田泉 河合章 本多健一郎 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 90種類の殺虫剤及び殺ダニ剤のうち、27種の薬剤(有機リン系11、合成ピレスロイド系6、ネライストキシン系2、昆虫成長制御剤2、生物由来殺虫剤1、その他の合成殺虫剤3、殺ダニ剤2)が、トマトハモグリバエ幼虫に対して高い殺虫効果を示す。 |
キーワード | トマトハモグリバエ、幼虫、殺虫剤、葉片浸漬法 |
背景・ねらい | トマトハモグリバエは、1999年に日本国内で初発生が確認された侵入害虫である。本種はウリ科、ナス科、マメ科等の広範囲の野菜類に寄生するが、現在、使用可能な登録薬剤は少なく、有効な防除手段の開発が早急に求められている。そこで、主として一般に市販されている殺虫剤及び殺ダニ剤の中で、トマトハモグバエに対して殺虫効果の高い薬剤を探索する。 |
成果の内容・特徴 | 1. トマトハモグリバエ2齢幼虫が寄生したインゲン初生葉を所定濃度に希釈した薬液に約5秒間直接浸す葉片浸漬法による殺虫効果試験では、有機リン系殺虫剤のうちピリミホスメチル、ダイアジノン、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、プロフェノホス、DDVP、BRPで、95%以上の高い死虫率が得られる。 2. 合成ピレスロイド系殺虫剤では、シペルメトリン、シフルトリン、トラロメトリン、フェンプロパトリン、フルシトリネート、エトフェンプロックスで、95%以上の高い死虫率が得られる。 3. ネライストキシン系殺虫剤ではカルタップとチオシクラム、昆虫成長制御剤ではシロマジンとピリプロキシフェン、生物由来の殺虫剤ではスピノサド、その他の合成殺虫剤ではクロルフェナピルやエマメクチン安息香酸、ピリダリル、殺ダニ剤ではピリダベンとミルベメクチンで、95%以上の高い死虫率が得られる。 4. カーバメイト系殺虫剤及び天然殺虫剤には、効果の高い薬剤は認められない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本成果は、トマトハモグリバエに対して殺虫効果の高い薬剤の新規登録及び適用拡大を推進するための資料となる。 2. 農薬取締法上未登録の農薬は試験研究以外には使用できない。また、表1で登録済みと記載された薬剤を使用する際にも、作物登録の有無を十分に確認すること。 3. 本試験では、トマトハモグリバエ幼虫に対して葉片浸漬法による薬剤処理を行っているため、散布処理を行った場合の植物体内での残効期間等については、別途検討する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 トマト なす 農薬 防除 薬剤 |