接ぎ木茶樹における品種の差異が枝条と根系の形態に及ぼす影響

タイトル 接ぎ木茶樹における品種の差異が枝条と根系の形態に及ぼす影響
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2003~2005
研究担当者 松尾喜義
荒木琢也
佐波哲次
岡本 毅
発行年度 2005
要約  接ぎ木で育成した穂木と台木の品種が異なる茶樹では、穂木の枝条形態は台木品種による影響は大きいが、台木根系形態への穂木品種の影響は比較的小さい。
キーワード チャ、接ぎ木、枝条、根系、穂木、台木、形態
背景・ねらい  地球温暖化の進行による気温上昇は、異常高温や干ばつなど暑く長い夏をもたらしやすい。チャは、永年生の樹木作物であるため、夏期の高温干ばつによる樹体生育不良は、秋冬期の樹体生育の攪乱をもたらし、一番茶の収量・品質に悪影響を及ぼすことが懸念されている。干ばつや水不足による生育攪乱に対抗するためには、地上部枝条の安定した機能を支える根系形態を持つことが重要と考えられる。そこで、挿し木接ぎにより穂木と台木の品種が異なる茶樹成木について、品種の差異(穂木と台木の品種特性)が枝条と根系の形態に及ぼす影響程度を評価し、茶樹の形態への品種の影響を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
穂木の株元から出る太枝は、台木品種の影響を明瞭に受け、比較的少数の太い枝を形成する品種「ふじみどり」を台木とする「やぶきた」穂木では、太い枝が多い(写真1、表1)。
2.
台木の根系は、「やぶきた」が台木の場合、穂木の品種にかかわらずØ0.5cm以下の細い木化根が多いことが認められ、これは「やぶきた」根系の特徴とみられる(表2)。
3.
穂木「やぶきた」の「Z1」台木では、穂木「Z1」共台の根系に比べて全体的に根が細くなって数も少なく、台木も穂木品種の影響を明らかに受けているものの、その影響は比較的小さい(表2)。
4.
挿し木接ぎ茶樹で問題になる台木の木化根不定芽から伸びてくる徒長枝が出やすい品種の組み合わせは「やぶきた」と「Z1」および「Z1」と「Z1」である(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
チャの「挿し木接ぎ」技術は、挿し穂の状態で割接ぎの接ぎ木を行い挿し木する手法で、この方法で穂木と台木の品種が異なる茶樹を育成できる(図1)。この調査では、12年生の茶樹の各組み合わせ20個体について行った。
2.
ここで検討している3品種「やぶきた」、「ふじみどり」、「Z1」のうち、「やぶきた」は代表的茶品種であり、「ふじみどり」は根系が強く、「Z1」は生育が強健なことで定評のある茶樹系統で登録品種「ふうしゅん」の種子親である。
図表1 233096-1.jpg
図表2 233096-2.gif
図表3 233096-3.gif
図表4 233096-4.gif
カテゴリ 挿し木 台木 接ぎ木 品種

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