タバココナジラミのバイオタイプQは同Bと同程度のTYLCV媒介能力を有する

タイトル タバココナジラミのバイオタイプQは同Bと同程度のTYLCV媒介能力を有する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2005~2008
研究担当者 大西純
飯田博之
北村登史雄
本多健一郎
発行年度 2008
要約 タバココナジラミのバイオタイプQがトマト黄化葉巻病罹病トマトを吸汁し、健全トマトに病原ウイルス(TYLCV)を媒介できるまで保毒するのに要する獲得吸汁時間は、バイオタイプBと同程度である。
キーワード タバココナジラミ、バイオタイプ、トマト黄化葉巻病、TYLCV、獲得吸汁時間
背景・ねらい タバココナジラミはトマト黄化葉巻病の病原ウイルス(Tomato yellow leaf curl virus:TYLCV)を媒介するため、トマト生産の重要阻害要因となっており、それまで媒介の主役であったタバココナジラミのバイオタイプBに加えて、ネオニコチノイド系殺虫剤などに抵抗性を持つバイオタイプQが国内で発生している。現在、バイオタイプQは日本各地でTYLCVの媒介の主役となりつつある。タバココナジラミのバイオタイプの置き換わりがトマト黄化葉巻病の発生に及ぼす影響を解明するために、タバココナジラミのバイオタイプQとBのTYLCV獲得吸汁時間と媒介率の関係を調査し、バイオタイプ間でTYLCV媒介能力の違いの有無を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. バイオタイプQおよびBはトマト黄化葉巻病罹病トマトを吸汁するとTYLCVを獲得し、吸汁12時間後にはどちらのバイオタイプも80%以上の個体がTYLCVを獲得する(図1)。
  2. 獲得吸汁時間を変えたタバココナジラミによる健全トマトへのTYLCVの媒介率は、バイオタイプQでは3時間の吸汁で5%、6時間で40%であり、バイオタイプBでは6時間の吸汁で25%となる。24時間吸汁した場合の媒介率はQで40%、Bでは50%であり、同程度である(図2)。
  3. 各獲得吸汁時間におけるウイルス獲得率および媒介率は、バイオタイプ間で有意な差がない(フィッシャーの正確確率検定、p>0.05)。
成果の活用面・留意点
  1. タバココナジラミのバイオタイプQとBは同等のTYLCV媒介能力があるため、同等の要防除水準で防除する必要がある。
  2. 本試験で用いたタバココナジラミの系統は、バイオタイプQが宮崎県総合農業試験場より分譲された個体群(ピーマン圃場より採集)、バイオタイプBが千葉県君津市のポインセチアより採集した個体群である。
  3. 使用したトマト黄化葉巻病の病原ウイルス(TYLCV)は三重県木曽岬町トマト圃場より採集したもので、イスラエルマイルド系統である。
図表1 233158-1.gif
図表2 233158-2.gif
カテゴリ 病害虫 タバココナジラミ 抵抗性 トマト ピーマン ポインセチア 防除

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