タイトル |
水稲の倒伏軽減剤「パクロブトラゾール」の使用法 |
担当機関 |
宮城県農業センター |
研究期間 |
1986~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 本剤は、水稲の上位節間短縮による倒伏軽減を目的として昭和63年度に農薬登録が
行なわれ、既に商品化されている。しかし、本剤の倒伏軽減効果は圃場や年次及び 使用方法により大きく変動しやすいので、誤った使用法を避けるための 参考資料とする。
- 薬剤名(商品名)パクロブトラゾール粒剤(スマレクト粒剤)
- 有効成分:パクロブトラゾール 0.6%
- 性状:淡褐色粒状顆粒
- 毒性:人畜毒性は普通物、魚毒性はA類
- 使用方法:
- 使用時期:出穂10~15日前
- 使用量:1回 10a当たり2~3kg
- 散布方法:湛水土壌処理(水深:3~5cm)。散布後は5日間程度保水する。
- 特徴:
- 稈長の短縮は主に上位節間によるが、処理時期が早いほど上位節間よりも下位節間に
対する短縮効果が大きくなる。
- 処理時期が早いと一穂籾数が減少することがある。
- 処理により倒伏の時期が遅れたり程度が軽くなる。
- 施肥量が多い場合は、軽減効果が期待できないことがある。
図1. スマレクト粒剤の効果 表1. スマレクト粒剤が倒伏と収量に及ぼす影響 - 技術・情報の適用効果
- 処理により稈長が5~15%程度短縮され、倒伏を軽減させたり、遅らせることにより、
玄米の品質低下・収穫作業の悪化が軽減される。
- 適用の範囲
県下一円
- 普及指導上の留意点
- 施肥や中干し、水管理等の基本的な肥培管理は従来どおりとする。
- 使用量は厳守する(重複散布及び多量散布はしない)。
- 浅い耕起や重複散布あるいは多量散布された圃場では、後作物(野菜類)の生育に
影響することがあるので、作付はなるべく避ける。やむをえず作付する場合は 作付前にていねいに深耕する。
- 本剤を使用した水田土を野菜類の育苗に用いると初期生育に影響が出る場合が
あるので、野菜類の育苗に使用することは避ける。
- 本剤は倒伏軽減剤であり、倒伏防止剤ではない。倒伏を軽減するからといって極端な
追肥を施せば、倒伏は助長され、収量及び品質の低下につながる。標準施肥栽培 において、生育過多になる恐れのある圃場で使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
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薬剤
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