成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
宮城県では小麦の成熟期が梅雨期間に当たり、穂発芽等により、品質低下が 著しい。また、県北部では冬期間の寒害により生育量が不足し、低収になることが 多い。 そのため、耐寒性があり、難穂発芽性の「シラネコムギ」を奨励品種に採用し 品質の改善と収量向上を図るものである。 ミヤギノコムギに比べ、シラネコムギは難穂発芽性で、成熟期は3日早く(中生の早) 収量が多く、品質が良い。 本県の主力品種であるフクホコムギは品質は良いが、耐寒性が低いため、北部平坦地域 や標高50m前後の地帯では寒害を受けることが多く、収量が不安定である。このため、 これらの地域では耐寒性の強いナンブコムギの作付増加している。シラネコムギは フクホコムギに比べ耐寒性が強く、品質が良い。またナンブコムギに比べ成熟期は、 2日早く、千粒重は小さいが、品質は同等以上で多収である。 表1. 生育収量調査 表2. 特性調査 表3. ブラベンダー試験成績 表4. ゆでめん官能評価 - 技術・情報の適用効果
ミヤギノコムギの作付地帯及びフクホコムギでは寒害を受けやすい地帯に シラネコムギが導入され、品質や収量の向上が期待される。 また、めん用粉として加工適性が高く実需者からの要望が強いため、本県では 200ha程度の普及が見込まれる。
- 適用の範囲
山間丘陵地帯を除く宮城県下全域
- 普及指導上の留意点
- せき薄地や少肥条件では穂数少なく、収量が上がらないことがあるので、栽培管理に
留意する。
- うどんこ病、赤さび病抵抗性はやや強~中程度で不十分なので、防除に留意する。
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