タイトル |
わら類のアンモニア処理による飼料価値および貯蔵性向上技術 |
担当機関 |
宮城畜試 |
研究期間 |
1986~1988 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
地域および複合経営内で生産されるわら類の有効利用を図る簡易調製利用技術を 確立するため、わらの種類、わらの形状、水分、ベール形状およびアンモニア (NH3)添加量と処理効果について検討し、NH3の実用的 適正添加量を明らかにした。さらに、処理わらの家畜への長期給与、嗜好性 について検討した。
- 飼料価値向上のためのNH3適正添加量は、低・中水分(10~35%)わらの
場合は現物当たり2.5~3.0%で、粗蛋白質含量は1.5~2倍、乾物消化率は7~15%の 上昇、高水分(40~60%)わらの場合は現物当たり2.0%で、粗蛋白質含量は2~3倍、 乾物消化率は10~20%の上昇効果が認められた。
- NH3処理効果は原料わらの水分含量が40~50%の高水分域で効果が高い。
したがって、天候にもよるが、刈取り直後から遅くとも1~2日以内の処理が望ましい。
- 水分の高いわらの貯蔵中のカビや変敗防止には現物当たりNH31~2%の
添加が適正であった。
- 処理温度が高いほどNH3添加効果が高かった。
- NH3の適正添加により乾物摂取量は60~120%増加した。
- NH3処理わらをめん羊へ長期(235日)給与した結果、無処理わら区に
比べ増体量は約10%高く、給与開始直後に一過性のアンモニアの上昇がみられたが、 その後の健康状態は良好であった。
- 技術・情報の適用効果
- 低質粗飼料であるわら類の栄養価が向上し、家畜の発育が改善されわら類の
有効利用が図られる。
- 天候不順時の粗飼料の品質保持技術として効果がある。
- 適用の範囲
稲わら 麦わら
- 普及指導上の留意点
- アンモニアは劇毒物、可燃物なので注意深く取り扱う。
- 給与は開封後アンモニアをよく揮散させ、乾草や穀類と併給しながら徐々に給与量を
増やす。
- 反芻胃の未発達な育成牛には、給与しない。
図1. わら類のアンモニア添加効果 図2. 原料水分および処理温度と乾物消化率の変動 図3. 原料わらの水分とアンモニア処理効果 表1. カフテリヤ法による家畜の嗜好性と栄養価
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
経営管理
羊
品質保持
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