タイトル |
土壌の加熱処理によるリンゴの改植障害の回避 |
担当機関 |
宮城県園芸試験場 |
研究期間 |
1987~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
リンゴの改植障害を回避する方法として、植え穴や埋め戻し用土を加熱処理した ところ、リンゴの幼木樹の生育が良好であった。 加熱処理は以下の方法を組み合わせて行った。
- 植え穴の加熱処理は、植え穴を幅70cm、深さ100cmの溝に掘り、その中でせん定枝等を
燃やした。
- 埋め戻し用土の加熱処理は、せん定枝等を燃やしている植え穴の上に鉄板を敷き、
その上に土を薄く載せ、約100度C前後になるまで数回に分けて過熱した。
- くん炭処理は、植え穴でせん定枝等を燃やし、おき火の状態になった時もみがらを
かけ、煙が出てきたところでもみがらの上に土をかけた。くん炭処理後、内部の熱が 冷えきるまで2~3日かかった。もみがらの量は、320リットル/樹程度とした。
加熱処理した場合はどの処理方法でも、土壌改良しただけの場合よりもリンゴ幼木の 生育が良好であった。特に(1)、(2)、(3)の処理をすべて行った場合は最も生育が 良好であった。 表1. 改植園土壌の加熱処理によるリンゴ幼木の生育状況 - 技術・情報の適用効果
リンゴの改植時に、植え穴や埋め戻し用土を加熱処理することにより、幼木期の 生育障害を軽減することができる。 また、本情報はリンゴの改植時の生育障害の原因究明の手懸かりになるものと 考えられる。
- 適用の範囲
リンゴ栽培地帯の改植園
- 普及指導上の留意点
- 加熱処理だけでなく、必ず堆肥や土づくり肥料等で土壌改良を併用する。
- 処理時期は休眠期で、土が凍っていない時期とする。
- 加熱処理後は、燃え残った枝を残らず拾うようにする。
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図表1 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
改植
土壌改良
りんご
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