タイトル |
ナシ及びブドウの植調剤による結実確保と果実肥大効果 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場 |
研究期間 |
1986~2061 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1989 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 本県で、ナシ果実及びブドウ果(花)房に植物生長調整剤ホルクロルフェニュロン液剤
(商品名フルメット液剤、以下KT-30S)を処理した結果、ブドウの結実確保とナシ及び ブドウの果実肥大促進効果が明らかで、数品種で実用性を認めた。
- 種なしデラウェアの生産に当り、第1回目のジベレリン(以下GA)処理時(満開14日前頃)
に、従来のGA100ppmにKT-30S 2~3ppmを加用浸漬処理することで処理適期幅の拡大と 花振るい防止及び果実品質の向上効果が認められ、安定生産が可能となった。
- 巨峰有核果に対し、満開15~20日後にGA25ppmにKT-30S 3~10ppmを加用浸漬処理
することで、果粒肥大が20~30%増加し、果実品質も向上した (表1)。
- ニホンナシ幸水に対し、開花10~20日後の幼果にKT-30S 10~15ppm液の散布で、
果実肥大が15~20%増加し、効果の年次差も少なく実用性を認めた (表2)。
- その他、ブドウのピオーネ、マスカット・ベーリー・Aの無核化や高尾、ピオーネの
果粒肥大に効果を認めた。また、ニホンナシ新星や新水、セイヨウナシの ラ・フランスなどに対しては肥大効果を認めたが、形状不良果が生じ、さらに 検討を必要とした。
- 技術・情報の適用効果
- 本県でのブドウ開花期は6月中下旬で、例年、梅雨入り前後にあたり、年によっては
低温多雨により結実不良を招くので、開花期及び開花始期に植調剤を処理する ことにより花振るいを防止し、確実に結実確保を図ることができる。
- ナシ及びブドウで、結実した果実の肥大は生育期の気象に左右されやすいが、
植調剤処理により肥大促進が図られ、商品性の高い果実(果房)の安定生産が 可能となる。
- 適用の範囲
県内全域
- 普及指導上の留意点
- 処理時期や処理濃度及び処理方法を誤らないこと。
- ブドウは着粒数や果粒重増加により、果房が大きくなりすぎた場合、着色や品質、
成熟期に影響するので摘粒や整房を適切に行なう。
- 適正着果量と樹勢維持が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
植物生長調整剤
品種
ぶどう
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