タイトル |
性周期同期化と受精卵移植を組合せた乳用放牧育成牛の繁殖管理法 |
担当機関 |
山形県立畜産試験場 |
研究期間 |
1987~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
放牧場の有効利用推進と放牧育成牛の受胎率向上を図るため、性周期同期化、 受精卵移植及び早期妊娠診断技術を取り入れ、下記のように放牧すると群の繁殖管理が 大幅に合理化、省力化される。
- 乳用育成牛を2週間程度屋外パドックで昼夜放牧馴致した後放牧し、草生状況により
秋に下牧する。
- 入牧後、体重回復状況をみながら、繁殖供用月齢に達したものにプロスタグランジン
F2αを投与すると、通常1~5日後に集中して発情が誘起され、合理的、 計画的な交配が可能となる。
- 性周期同期化後の、発情状況が良好なものに人工授精または発情日(0日)から7~8日目
に受精卵移植を行う。
- 放牧場で移植に用いる受精卵は、現状では現地融解・直接移植できる
ワンステップストロー法で凍結保存したものを用いると良い。
- 人工授精及び受精卵移植を行ったものは、発情日(0日)から21~22日目の
プロジェステロン値の測定、同30~40日目に超音波診断装置により妊娠診断を行い、 受胎を早期に確認し、効率的な繁殖を行うようにする。
- 技術・情報の適用効果
- プロスタグランジン F2αの投与による放牧育成牛の性周期同期化は、
体重の回復がみられる入牧30日前後以降に行うと良好である (表1)。
- 性周期の同期化により、集中的かつ計画的な人工授精及び受精卵移植が実施可能
となり、各々高い受胎率が得られる (表2、表3)。
- 血中プロジェステロン値の測定及び超音波診断装置による妊娠診断は、早期にかつ
高い適中率が得られる(表4)。
- 適用の範囲
乳用育成牛放牧地帯
- 普及指導上の留意点
- 乳用育成牛は、必ず放牧馴致を行い、早期に繁殖供用できるようにすること。
- 性周期同期化及び人工授精・受精卵移植の実施は、繁殖供用月齢に達し、発育状況が
良好となった時期に行うこと。
- 受精卵移植を行う受卵牛の選定条件は、(1)発情良好かつ卵胞直径が10mm程度で
翌日排卵したもの、(2)移植日の黄体は軟肉様で充実(直径15mm以上)しているもの などが挙げられる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
受精卵移植
受胎率向上
省力化
診断技術
繁殖性改善
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