雑草「イチビ」の防除方法

タイトル 雑草「イチビ」の防除方法
担当機関 岩手県畜産試験場
研究期間 1990~1990
研究担当者
発行年度 1990
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    近年、1年生雑草「イチビ」はサイレージ用とうもろこし圃場での発生が目だって増加
    しており、サイレージ用とうもろこしの生育抑制・機械作業での障害・「イチビ」の
    混入したサイレージの嗜好性の悪さ等が問題となってきている。この「イチビ」は
    従来の防除体系では防除が不可能であり、効果的な生育期防除法を確立した。
    「イチビ」の3~6葉期にアトラジン水和剤(ゲザプリム50、ゲザプリムフロアブル)
    200cc/10aとベンタゾン液剤(バサグラン液剤)150cc/10aを混合して散布すると、
    それぞれを単用した場合より「イチビ」に対する雑草効果が高まるばかりではなく、
    効果の現れ方が早かった。そして、散布後長期間雑草の発生を抑えることから
    土壌処理効果も兼ねていることが伺われた。しかも、サイレージとうもろこしに薬害は
    見られなかった。
    よって、「イチビ」発生圃場での除草作業体系は次のように考えられた
    (表1、表2、
    表3)。
    1. 「イチビ」主体でイネ科雑草の少ない圃場では、生育期一発処理体系(従来の土壌処理は
      行わない)で、「イチビ」の3~6葉期に上記混合液を散布する。
    2. イネ科雑草も多い圃場では、土壌処理にアラクロール乳剤(ラッソー乳剤)だけを
      使用して、「イチビ」の3~6葉期に上記混合液を散布する。
  2. 技術・情報の適用効果
    混合液の散布により、除草剤散布時に生存していた「イチビ」を完全に枯死
    させることが可能である。これによりサイレージ用とうもろこしの正常な生育を促し、
    嗜好性の良好なサイレージ調製が可能になる。
  3. 適用の範囲
    東北一円
  4. 普及指導上の留意点
    1. 除草剤の散布は、「イチビ」が随時発芽してくるので生え揃った時期(3~6葉期)をよく
      見計らい行うこと。
    2. 「イチビ」の草丈は均一でないので、下繁草までよくかかるように希釈水量を十分
      (100リットル/10a以上)用い散布ムラのないようにすること。

図表1 233433-1.gif
図表2 233433-2.gif
図表3 233433-3.gif
カテゴリ 病害虫 雑草 除草 除草剤 とうもろこし 土壌処理 防除

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