タイトル |
リンゴ“ふじ”の裂果発生要因と対策 |
担当機関 |
福島県果樹試験場 |
研究期間 |
1988~1989 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
本県の主要品種である“ふじ”は裂果し易い品種であるが、近年多発傾向にあり、 商品性の低下をまねき問題となっている。裂果発生要因と対策技術について検討した。
- 発生要因
裂果は果実横径の肥大が比較的旺盛な8月上旬~9月中旬にかけて、硬あ基部に なんらかの異常が生じ、その結果、硬あ基部の果肉に、内部裂果が発生し、その後の 果実肥大により外部裂果に進行するものと考えられる。 また、内部裂果の始まる7月下旬~9月にかけての降水量の多少が裂果発生に大きく 関与し、降水量の多いほど裂果発生が多くなる。
- 対策
- 樹齢が若く樹勢の強い樹ほど劣化し易いので、樹勢の安定化を図る。樹相診断時
(6月下旬)の新梢長は30cm前後に維持する。
- 土壌の透水性が悪い圃場ほど多発し易いので、土壌の透水性を良くし、停滞水が
出現しないよう排水に注意する。土壌の透水係数は2×10-4cm秒以下と する。
- 有機栽培は裂果の発生を少なくするので、樹齢が若く樹勢の強い樹は有袋栽培とする。
袋をかける時期は7月10日以前とする。
表1 裂果発生の多少と透水係数の分布割合 図1 時期別裂果発生率 図2 降水量(8月)と外部裂果率の関係 図3 被袋時期と裂果発生率 - 技術・情報の適用効果
裂果発生が減少することにより品質が向上し市場性が高くなり、農家所得の増加に つながる。
- 適用の範囲
県下全域
- 普及指導上の留意点
内部裂果の始まる8月から9月にかけて降水量が多く、停滞水ができた場合は明きょ等を 施し、ほ場内の排水対策に務める。 最近、大玉生産のため樹勢を強くする傾向が強いが、強過ぎると裂果多発の要因にも なるので適正な樹相維持に務める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
有機栽培
品種
りんご
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