タイトル |
飼料作物2年3作体系における不耕起省力安定生産技術 |
担当機関 |
山形県立畜産試験場 |
研究期間 |
1988~1990 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1990 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
転換畑等における飼料作物の高位、省力安定生産のため適草種の選定、作付体系及び 省力作業体系が求められている。そこで、現地実証圃等と設け青刈とうもろこし、 青刈大麦、青刈ソルガムの2年3作作付体系がより効果的な技術であることを実証した。 (表1) とうもろこし (表2、3) 堆肥5t標準区、堆肥10t多肥区を設け、深耕による収量性と後作への影響を見ると共に 作業時間、収量を調べた結果堆肥散布量がそのまま時間の延長となり所要労働時間が 多い。標準区は乾物生産1t当りの所要時間は少なかった。プラウ耕(31cm)ロータリー 1回掛後コーンプランターによる施肥、播種同時作業で省力が図られた。硝酸態N含有量は 乾物中、標準区が0.04%、多肥区が0.06%であり、この程度の堆肥施用では問題ない。
大麦 (表2、3) 当初計画した不耕起播は轍や前作物の残渣の影響で苗立が悪かった。前作時の標準区と 多肥区の乾物収量は10a当り標準区1,029kg、多肥区1,129kgであり前作の堆肥多用効果が 見られた。次に省力化のためロータリー耕1回掛けの後ブロードキャスターで施肥播種 同時作業し、その後ロータリーで浅く撹拌し種子の覆土を図った。ロータリー耕と 鎮圧の省略で省力型は48分の省力が図られた。播種当時土塊が荒く、発芽不揃を 生ずるが、その後の生育には影響は見られない。 ソルガム (表2、3) 不耕起でコーンプランターによる施肥播種同時作業を行ったところ、播種溝を コーンプランターの鎮圧ローラーで埋めることが出来ず、種子が裸出したため 10日間防鳥網を張り防護した。防鳥網の取り扱いに手間取り作業効率を上げることが できなかった。前々作時の堆肥効果は乾物量で標準区1,555kg、多肥区1,294kgで堆肥 施用効果は逆転した。これは圃場の風当たりの影響と思われる。次に省力を図るため ロータリー1回掛けの後コーンプランターによる施肥播種同時作業は覆土も可能で 省力型は73分の省力が図られた。乾物収量はP956で1,475kg、スズホは1,391kgの 収量であった。プラウ耕→ロータリー1回掛け→コーンプランター体系の粗耕では、 やや発芽不揃いになるものの収量のは影響なくホールクロップとして子実割合の 多いサイレージが調整された。
- 技術・情報の適用効果
- 2年3作体系でも各草種ホールクロップサイレージとして調整可能である。
- 当地の土壌でロータリー1回掛け程度に粗耕して播種した場合発芽揃いが
劣るもののその後の生育には影響が少ない。
- 適用の範囲
県内平坦地の転換畑
- 普及指導上の留意点
不耕起栽培では前作時の轍や残根残茎等で播種効果は悪いため、粗耕後播種が 望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
大麦
省力化
省力作業体系
飼料作物
施肥
ソルガム
とうもろこし
播種
不耕起栽培
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