成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 「ひとめぼれ」は減数分裂期の葉色をササニシキよりも4ポイント高い36程度
に維持することが玄米収量60kg/aを確保するために肝要であり、本品種の特徴 とみられた(図-1)。
- 葉色と葉身窒素濃度の関係はササニシキ同様、展開第2葉身との相関が高かった。
とくに7月の相関が極めて高く、減数分裂期葉色値36のとき葉身窒素濃度は2.5% 前後であった(表-1、.gif">図-2)。この窒素濃度を維持するには幼穂形成期の窒素追肥が有効で あった(図-3)。
- 基肥及び追肥の窒素施肥量が玄米の窒素濃度に及ぼす影響は食味にはほとんど
悪影響を及ぼさない範囲とみられた(表-1)。
- 収量60kg/aを得るための適正な穂数は500~530本/平方メートル、籾数は
3万粒/平方メートル前後であった。
- この指針に従った場合の成熟期稈長は80cm程度に留まり、倒伏には影響しないと
判断された。
- 技術・情報の適用効果
新しい品種「ひとめぼれ」の栄養診断が生産現場で容易に可能となり、品質及び 収量の安定化に寄与する。
- 適用の範囲
県内「ひとめぼれ」栽培地帯
- 普及指導上の留意点
- 葉色は展開第2葉身(成熟期は止め葉)の葉緑素計値(SPAD501型)である。
- 図-1の期待葉色の幅は±1ポイント(標準偏差値)とした。
- 期待葉色値推移を維持するために、追肥は幼穂形成期から減数分裂期にかけて1~2回
程度の穂肥が望ましい。
- 追肥窒素は合計で2kg/10a以内とする。
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