タイトル |
やませ冷害発生条件下の大豆個葉の光合成量と受精障害 |
担当機関 |
東北農試 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 大豆に大きな冷害をひきおこした昭和63年のやませ気象条件を模し、昼15度C~
夜13度Cの低温、60~80%遮光の少照、30分毎に1分噴霧の細霧、の各処理を 2~3週間の中・長期にわたって開花期以前の大豆に加えた。
- 処理時期に成葉であった5.5~4.5令葉及び展開中にあった3.5~2.5令葉のそれぞれ
の個葉光合成速度は少照細霧処理葉で最も劣り対照に比べ約30%減じた。 低温少照処理及び低温少照細霧処理では対照比15~20%の減少を示し、両処理間 の差は小さく、細霧処理の付加的影響は小さいと考えられた(図1)。
- 生殖生長への影響は開花期及び開花1~2週間前からの処理で大きく、低温のみ
の処理でも低温少照あるいは低温少照細霧処理と同程度の子実減少作用が 認められ、小照あるいは少照細霧処理の付加的影響は認められなかった(図2、図3)。
- 処理を2週間から3週間に延長することにより、子実減少作用は著しく強められた(図2、図3)。
- 技術・情報の適用効果
やませ気象要因のなかで、大豆の個葉光合成機能に与る影響は少照及び 低温要因が主であること、生殖生長における受精障害発生については低温が 主因であることが明らかになったので、これら不良気象条件下における大豆の 生理的機能の低下を軽減し、維持・向上させる技術開発のための 試験条件設定に役立つ。
- 適用の範囲
寒地、寒冷地の冷害研究
- 普及指導上の留意点
中性火山灰土壌を用いたポット試験の結果であり、下位葉の光環境、炭酸ガス 環境、土壌及び土壌水分環境などは一般圃場に比べて好条件下にあることを 考慮に入れる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
寒地
大豆
凍害
ひきおこし
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