タイトル |
長大作物収穫・麦類播種同時作業機による周年作付体系 |
担当機関 |
東北農試 |
研究期間 |
1989~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 長大型飼料作物収穫・麦類施肥播種同時作業機は収穫部、耕うん部(補助エンジン
駆動)、施肥部、播種部で構成し、長大型飼料作物の収穫、残稈の耕うん、麦類の 施肥・播種作業を一工程で行う(図1、表1)。
- 同時作業機を利用して従来7日程度必要としていた作物切替期間を省略し、長大型
飼料作物の栽培期間を拡大することにより、トウモロコシ・ソルガム-大麦・ライ麦を 組み合わせた周年作付体系の収量・品質の向上と安定化及び省力化が図れる。
- 同時作業機は、作業速度0.76m/s、耕うん深さ約9cmで約12a/hの能率を示し、
慣行作業と比較して約30%の省力化が可能である(表2、3)。
- 同時作業機の導入により従来のトウモロコシ-大麦-トウモロコシ2年3作体系から
トウモロコシ-大麦1年2作体系が可能となり、トウモロコシ-ライ麦体系で年間乾物 収量2.74t/10a、ソルガム-大麦体系で2.72t/10aとそれぞれ1年1作対比148%(慣行 1年2作対比105%)、155%の増収を示すとともに、乾物率、雌穂重割合が向上した(図2、表4)。
- 技術・情報の適用効果
長大型飼料作物の収穫作業と麦類の施肥播種作業を一工程で行う同時作業機 により作物切替期間を省略し、北東北における転換畑飼料作物の周年作付体系 の収量・品質の向上と作業の省力化を実現した。
- 適用の範囲
年平均気温9~10度C、長期積雪期間が大麦で70~80日以下、ライ麦で100日以下、 排水良好な転換畑。
- 普及指導上の留意点
- 同時作業機で播種した麦類は、長大型飼料作物運搬用の伴走トレーラ車輪で踏圧
を受け、出芽むら、生育の遅延の可能性があるため、同一場所の繰り返し走行や 高水分時の走行を避けることが必要である。
- トウモロコシを晩播することにより、すじ萎縮病が多発する地帯では、トウモロコシ-
大麦体系は適用できない。
- 小区画圃場へ同時作業機を導入するには、よりコンパクト化する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
萎縮病
省力化
飼料作物
施肥
ソルガム
とうもろこし
播種
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