タイトル |
セイヨウナシ「マルゲリット・マリーラ」の追熟法と品質評価 |
担当機関 |
秋田県果樹試験場天王分場 |
研究期間 |
1990~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1991 |
成果の内容・特徴 |
- 技術・情報の内容及び特徴
- 「マルゲリット・マリーラ」について品種固有の高品質な食味を得るための追熟条件を
検討し、好適な追熟法がほぼ明らかとなった。
- 追熟する場所は、
- 温度、湿度ともに日較差がごく少なく
- 外気よりやや低めの温度が維持できる所で
- 通風のない土蔵のような部屋
が好適であった(図1、図2)。
- 好適な追熟温度は、収穫後、入庫した時点で、気温よりやや低めの18度C位で、
追熟中に少しずつ下がり、食用期に入る追熟完了時には15~16度Cまで低下し、 この間の追熟日数が17~18日でもっとも良好な果実品質および食味となった(図1、表1)。
- 追熟中の好適な湿度は、80%前後で、追熟中に大きな変動がなく推移する状態
が良好であった(図1)。
- 温度や湿度の日較差が大きい場所での追熟は、追熟日数が長くなったり、追熟
の揃い・斉一性が悪く、目減りや輪紋病等障害の発生も多くなり、品質的にも 劣った。また、18度C、湿度80~90%が人為的に保持され通風状態の恒温恒湿庫 での追熟は、追熟日数が非常に短くなり、肉質がさらさらとなり品種固有の粘質性に 欠ける果実に仕上がった(表1)。
- 適期に収穫した果実を、好適な室温で追熟し、秋田市の消費者217名に依頼、
官能による試食評価をした結果、総合評価で「良」以上が71.9%と予想以上に高く、 特に果汁、食味の評価が高く、収穫後直ちに好適室温で追熟した果実の品質 および食味の優秀性が客観的に確認された(表2)。
- 技術・情報の適用効果
- 「マルゲリット・マリーラ」の好適な追熟法が明らかとなり、消費者ニーズに合った
高品質な果実に仕上げることが出来る。
- 収穫後の果実を冷蔵庫に搬入し一定期間後に追熟しない果実を出荷する
やり方は、品質低下につながるので改善の必要がある。
- 適用の範囲
県内全域
- 普及指導上の留意点
- 産地追熟は好適な追熟条件を整えてから実施する。
- 収穫は授粉後及び満開後日数や果皮の色調等を考慮して適期に行なう。
- 追熟中に輪紋病等の腐敗果実が発生しないよう生育期間中の防除を的確に
行なう。
- 収穫時及び収穫後の果実の取り扱いはていねいに行なう。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
出荷調整
品種
防除
良食味
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