Phytophthora syringae によるリンゴ疫病(収穫果)の発生

タイトル Phytophthora syringae によるリンゴ疫病(収穫果)の発生
担当機関 青森県りんご試験場
研究期間 1991~1995
研究担当者
発行年度 1991
成果の内容・特徴
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    青森県では1989年産、1990年産の貯蔵リンゴ果実に疫病が多発したが、その病原菌
    が今まで我が国では記載の無いPhytophthora syringae であることが明らかになった。
    1. 発生状況:発生地域は青森県全域におよび、主力品種のふじ、王林に発生が多くみら
      れた。貯蔵果の被害率は1989年、1990年とも0.7%程度とみなされる。
    2. 病徴:初期症状は、直径数mmの輪郭が不明瞭な淡褐色斑点で、拡大すると果皮が
      褐色に変色し、貯蔵中に発生する軟性ヤケ症状に似ている。さらに拡大すると果皮に
      しわを生じて全体が腐敗する。発病果肉部は弾力を帯びて褐変し、紅玉のゴム症状
      に似ている。
    3. 病原菌の同定および病原性の確認:被害果から分離した病原菌(Phytophthora sp.)は
      V8ジュース寒天培地上でバラの花弁状の生育紋を生じる。本菌の生育最適温度は
      20度C、生育上限は25度C、下限は2度C以下である。遊走子のうは卵形、または楕円形
      で、頂部は乳頭突起が無いか、またはわずかにみられる。有性器官は、菌そうを暗黒下、
      15度C以下の低温で水浸処理すると形成され、同株性である。蔵卵器は表面が平滑で
      膜が厚く、蔵精器は通常側着する。菌糸には膨潤がみられる(第1表)。以上の形態と生育温度反応から本菌を
      P. syringae(Kleb.)Kleb.と同定した。次に、遊走子を用いての無傷接種でリンゴ果実に
      病徴が再現し、病斑部からは接種菌を再分離できた。
  2. 技術・情報の適用効果
    本病の病原菌は従来のリンゴ果実疫病菌(P.cactorum)と異なることが明らかとなった
    ので、本病の生態に応じた防除対策を講じることができる。
  3. 適用の範囲
    青森県のリンゴ、ニホンナシ及びセイヨウナシ栽培地帯
  4. 普及指導上の留意点
    P.syringaeによる果実疫病の症状はP.cactorumの症状と区別できないが、
    P.cactorumは6~9月に、P.syringaeは10月以降に発生する特徴がある。

図表1 233642-1.gif
カテゴリ 病害虫 ばら 品種 防除 りんご

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