日本海中部海域における急潮発生予測の試み

タイトル 日本海中部海域における急潮発生予測の試み
担当機関 京都府農林水産技術センター
研究期間 2006~2008
研究担当者 上野陽一郎
傍島直樹
熊木 豊
広瀬直毅
千手智晴
松野 健
北出裕二郎
松山優治
山田東也
井桁庸介
丸山克彦
渡辺 健
井野慎吾
大慶則之
奥野充一
前田英章
瀬戸久武
松宮由太佳
発行年度 2009
要約 日本海中部海域に敷設された定置網の急潮被害を防止するため、2大学および5府県の水産試験研究機関が共同で精度の高い急潮発生予測技術の開発を試みた。その結果、同海域で発生する典型的な急潮の類型化や、急潮予測シミュレーションの常時運用を達成した。これらの情報を漁業者に適宜発信することにより、漁業者は急潮時の対策として有効な網の一部撤去等を効率よく行える。
背景・ねらい 新潟県から京都府に至る日本海中部海域では、急潮(突発的な速い流れ)による定置網の漁具被害があとを絶たず、経営悪化の要因になっている。定置網の防災策として、急潮発生時に網の一部を撤去すると有効なことが判明しているが、急潮はいつどこで発生するのか詳しく分かっていなかったため、漁業者は防災策を講じにくかった。そこで、精度の高い急潮発生予測技術の開発を試みた。具体的には、綿密な現場観測を行うとともに高分解能数値モデルによる検証を進め、急潮の発生・伝播機構の解明やその類型化に取り組んだ。また、その成果を受けて急潮の発生を予測できる数値モデルの開発に着手した。
成果の内容・特徴
  1. 日本中部海域において、急潮が発生しやすい気象条件を大まかに類型化した(図1)。
  2. 本海域における急潮の特性として、海上風の連吹が主なエネルギー源であること、半島や岬の先端部や東部海域で発生しやすいこと、同時多発的であることなどが分かった。また、類型化した気象条件のうち、タイプ1やタイプ2に代表される典型的な急潮の発生・伝播機構を明らかにした(図2)。
  3. 九州大学応用力学研究所が急潮の発生を予測できるシミュレーションモデルを開発し、約一週間先までの急潮発生予報が可能になった(図3)。
成果の活用面・留意点 上記の研究成果を踏まえ、各府県の水産試験研究機関から漁業関係者へ急潮発生予測情報を適宜提供する。これにより、漁業者は急潮時の対策として有効な網の一部撤去を効率よく行え、漁具被害の防止・軽減に資することができる。今後の課題として、地先ごとのきめ細かな急潮発生予測技術の確立が挙げられる。
図表1 234288-1.png
図表2 234288-2.png
図表3 234288-3.png
カテゴリ 経営管理

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