タイトル |
異常プリオン蛋白質は歯組織のマラッセの上皮遺残に蓄積する |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 |
研究期間 |
2009~2010 |
研究担当者 |
岡田洋之
横山 隆
毛利資郎
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発行年度 |
2010 |
要約 |
スクレイピー異常プリオン蛋白質は、歯組織のマラッセの上皮遺残に蓄積する。
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キーワード |
歯組織、マラッセの上皮遺残、マウス、スクレイピー、プリオン
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背景・ねらい |
伝達性海綿状脳症(TSE)は、ヒトや動物における致死的な神経変性性疾患である。スクレイピー感染ハムスターの実験により、感染ハムスターの歯髄に感染性が証明されているが、歯組織における異常プリオン蛋白質(PrPSc)蓄積部位は明らかにされていない。このためスクレイピー感染マウスを用いて、歯組織内のPrPScの蓄積部位を免疫組織化学的手法を用いて明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 免疫組織化学的に、スクレイピーME7株感染マウスの切歯のマラッセの上皮遺残*にPrPScの蓄積が確認されたが、象牙芽細胞、セメント芽細胞、線維芽細胞、歯茎上皮細胞および歯髄においてはPrPScは検出されない(図1)。
- 上記のスクレイピー感染マウスの歯組織をマウスに脳内接種したところ、スクレイピー発症までに長期を要することから、歯組織におけるPrPSc蓄積量は脳に比べ大変少ない。
- 切歯のマラッセの上皮遺残に蓄積するPrPScは、脳から歯組織にかけて分布する脳神経を介し、神経終末があるマラッセの上皮遺残に伝播するものと考えられる。
- 神経支配割合の少ない臼歯のマラッセの上皮遺残にPrPScは検出されない(図2)。
- *マラッセの上皮遺残:
- リンパ球に似た小細胞が索状をなすもので、胎生期の口腔上皮に由来するエナメル器の遺残である。
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成果の活用面・留意点 |
- スクレイピー感染マウスの歯組織におけるPrPSc蓄積は、切歯のマラッセの上皮遺残であることが示された。
- ヒトの孤発性CJDおよび変異型CJD患者の歯組織にPrPScは検出されていないことから、プリオンの種類によって蓄積部位に違いがあることが想定される。
- プリオンの種類による違いを評価するためには、他のTSE感染動物についても、歯組織におけるPrPScの蓄積を調べる必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
なす
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