タイトル |
ホンダワラ類の藻場造成技術マニュアル |
担当機関 |
山形県水産試験場 |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
平野 央
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発行年度 |
2010 |
要約 |
平成15年~19年まで5年間の本県本土側ホンダワラ類の分布等の藻場環境、アカモクの成長・成熟等の生態、天然母藻からの採苗や幼体の育成等の人工種苗生産技術及び藻礁設置や藻食動物除去等の藻場造成技術開発調査結果を用いて海域環境に応じた藻場造成の具体的技術を分かりやすく写真や図表を用いてマニュアルとして示した。
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背景・ねらい |
藻場は水産業振興上重要であり、マニュアルを作成し藻場の保全と造成に役立てる。
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成果の内容・特徴 |
- 1)藻場環境調査
- 県内(本土側)の主要藻場を調査し(図1)、立地条件、構成種、分布水深等を把握した。
- 本土側では主に水深3m以浅にだけ分布している。
- 2)アカモクの生態
- 成熟時期(5月下旬~6月中旬)、生長(冬季に急速に伸長する)及び密度の変化(7~10月に大きく減少するが以降は安定)を把握した。
- 分布適地範囲を、波浪、水深(50~100cm)、底質(岩盤又は30cm以上の転石)で示した。
- 3)人工種苗生産技術
- 採苗時期を把握し育苗手法など基本的な生産技術を確立した(写真1)。
- 育苗において生残・生長不良を引き起こす付着物(珪藻類)を除去する シャワー散水方式の改良型による新たな生産方法を開発した(特許出願中)。
- 4)藻場造成技術
- 人工藻礁を設置し、海藻の付着に効果的な表面形状、水深や時期などを検証した。
- 母藻設置(写真2)、藻食動物除去の手法を用いて、アカモクの藻場造成に成功した。
- 5)海域環境に応じた藻場造成の具体的技術
- 地先により海域環境はさまざまであることから、母藻設置、人工種苗移植、基質清掃、藻食動物除去、藻礁設置などの藻場造成技術の展開方法を具体的に示した(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 現場の状況に応じた漁場管理に活用できる。
- 冬季の高波浪など北部日本海特有の環境条件を有した山形県沿岸における藻場造成マニュアルである。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
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