タイトル |
カーネーション栽培における石炭灰培地が収量および品質に及ぼす影響 |
担当機関 |
兵庫農総セ |
研究期間 |
2006~2007 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2008 |
要約 |
カーネーション栽培(品種「ノラ」)に火力発電所から副産物として産出される石炭灰(以下クリンカ) を培養土素材として利用すれば、従来と比較して同等の収量が得られ、11~12月と4~5月の切り花品質が向上する。
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キーワード |
カーネーション、クリンカ(石炭灰)、培地、隔離ベンチ栽培
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背景・ねらい |
近年、火力発電所副産物であるクリンカはセメント原料など建設資材以外に、養液栽培の培地や植栽基盤など農業・造園分野での有効利用が試みられている。そこで、カーネーションの隔離ベンチ栽培において、培養土素材としてのクリンカの有効性を収量および切り花品質から検討する。
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成果の内容・特徴 |
- オーストラリア産石炭を用いた電源開発(株)竹原発電所製のクリンカをガラス温室内の幅80cm、深さ20cmの隔離ベンチに充填し、アルミ蒸着フィルムをマルチングする。かん水施肥は養液土耕法とし、エミッター幅20cmの点滴チューブをベンチに2本設置し、1,000~1,400倍液の液肥(大塚化学(株)製、タンクミックスA&B(N:P2O5:K2O:CaO:MgO=14:7:20:11:4))を、ベンチ面積1m2当たり1~4リットル、毎日1~2回に分けて給液する。
- カーネーション品種「ノラ」のクリンカ培地区への定植47日後(9月8日)の草丈は24cm、葉数49枚、側枝長69cmで、土壌区の28cm、葉数64枚、側枝長91cmより小さく、初期の生育が抑制される(図1)。
- 10~12月のベッド面積1m2当たりの切り花本数は、クリンカ培地区が69本で土壌区の103本より少ないが、5月31日までの総切り花本数はクリンカ培地区、土壌区ともに253本となり、土壌区と同等の収量が得られる(図2)。
- 11月から12月は、クリンカ培地区が土壌区に比べて茎が太く、硬い切り花となる。1月から3月の切り花品質に差は認められないが、4月から5月ではクリンカ培地区で切り花重が増加し、茎が硬くなる。このことから、クリンカ培地では、切り花品質が向上する(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 初期生育を高め、初期の収量を増加させるには、給液濃度の検討が必要である。
- 蒸気消毒することにより、クリンカ培地の連用は可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カーネーション
くり
栽培技術
施肥
品種
養液栽培
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