タイトル |
WWWによる研究用エコシステムデータベース |
担当機関 |
農業環境技術研究所 |
研究期間 |
1996~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
種々の生態系で観測されたデータを,インターネットを通してモデル研究などに利用可能な「エコシステムデータベース」として構築した。全てのデータの品質が検証され,そのレベルが示されている。WWWにより,利用者の要求したデータをグラフ表示でき,それを確認しながら必要なデータをダウンロードできる。
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背景・ねらい |
地球環境変化の理解と将来予測のために大気大循環モデルなどを用いた研究が実施されているが,さらなるモデルの改良と予測精度の向上が必要とされている。これらのためには,生態系と大気との熱や物質の交換に関するサブモデルの精緻化とそれを検証するための実測データが必要であるが,データの蓄積や情報交換は十分ではない。また,多くのモデル研究にファクトデータベースが望まれている。本研究では,エコシステム関連データを登録し,世界中からWWWにより利用できる研究用「エコシステムデータベース」とその利用環境システム(Eco-DB)を構築する。 当面は農業環境技術研究所気象特性研究室で得られた生態系におけるエネルギ・ガス交換に関する観測データを統一フォーマットで整備するが,将来的には多様な生態系で得られた世界中のデータを登録する。
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成果の内容・特徴 |
- 開発されたシステムは,ファクトデータの蓄積部(データベース部)とWWW運用部とからなり,データを管理するだけでなく,任意の登録データをグラフとして生成表示する機能やデータファイル生成機能,利用者管理機能などを有する(図1)。
- エコシステムデータベースは全ての生態系のファクトデータを対象とするが,現在は日本の水田や畑地,中国半乾燥地域の砂丘・草原・農耕地,アラスカのツンドラなどが登録されている(表1)。数値データの他に観測方法を詳述した表,データの信頼性表示コメント,観測サイト情報(植生,LAI,緯度,標高など),画像情報(地図や写真)などからなり,全て英文で記述されている。
- 微気象,エネルギ・ガス交換に関する数値データ(表2)は,品質が検査(不良測定条件時や測器不調時のノイズ混入データの削除)されたものだけが登録され,30分平均値として整備されている。
- 利用者はインターネット経由で登録データの任意部分を表示することができ,モニタに描かれた表示を参照しながら必要なデータをダウンロードできる。利用者がデータを利用する場合,ユーザ登録が義務づけられる。エコシステムデータベースでは,要求により日変化図,旬単位変化図,長期トレンド図などを時系列グラフとして表示可能である(図2)。また,観測風景や地図などの画像や表,コメント等も表示可能である。
- システムは他の類似の農業関連データについても適用可能であり,世界的なデータ共有システムとしてネットワーク化を推進可能である。登録データを拡大し,世界規模でデータの共有を行うために,各データの所属を明示し,利用する場合の共著者化等を義務づけた。
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成果の活用面・留意点 |
- ネットワークが利用できる環境があれば世界中から検索利用可能である。完全な一般公開は1999年10月からである。Eco-DBサイトのURLは,http://ipc68.ecol.affrc.go.jp:8080/。
- Eco-DBシステムは,世界中の既存データベースとの連携や情報の共有化を意図している。
- システムへの不正な干渉を防止するための保護がなされており,その一環としてデータ利用者にはユーザ登録が義務づけられる。
- データを利用した成果物には共著者等としてデータ保有者の記述が義務づけられる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
水田
データ共有
データベース
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