マサバ・ゴマサバの再生産成功率を用いた再生産関係の解析

タイトル マサバ・ゴマサバの再生産成功率を用いた再生産関係の解析
担当機関 (独)水産総合研究センター 西海区水産研究所
研究期間 2006~2010
研究担当者 由上龍嗣
大下誠二
依田真里
田中寛繁
発行年度 2010
要約 マサバとゴマサバは許容漁獲量(TAC)管理が行われているが、そのためには加入量の予測が必須である。現在、両種は再生産成功率(加入尾数÷親魚量)を用いられているので、その実際と問題点などの整理を行った。
背景・ねらい 東シナ海に生息するマサバとゴマサバは、それぞれマサバ対馬暖流系群、ゴマサバ東シナ海系群に属し、両種の太平洋系群とあわせて、さば類としてTAC管理が1997年から行われている。合理的なTAC管理のためには加入量の予測が必須であり、現状について取りまとめるとともに問題点を整理して今後の研究展開をはかることをねらいとする。
成果の内容・特徴 マサバについては1973年以降、ゴマサバについては1992年以降について解析を行った。まず、マサバについて1973年以降の親魚量と加入尾数の間にははっきりとした関係は見られなかったものの、1992年以降でみると1%有意水準で正の相関が認められた。一方、ゴマサバでは親魚量と加入尾数とにはっきりとした関係が認められなかった。再生産成功率(RPS)でみると、マサバでは1991年以降比較的高い値を示しており、RPSの対数と親魚量には負の相関関係が見られたことから密度効果が働いている可能性が示唆されたが、ゴマサバのRPSの対数と親魚量には関係が認められなかった。マサバではリッカー型再生産関係とホッケースティック型再生産関係(RPSがある親魚量まで一定とし、それ以上になると加入が一定となる形)の比較も行った。これらのことを踏まえ、マサバでは1992年以後のRPSの中央値で一定という仮定で加入量を計算している。ゴマサバは明瞭な再生産関係がないものの、マサバと同様に1992年以降のRPSの中央値で一定という仮定で加入量を計算している。ゴマサバについては、今後解析する年数を増やすことでより信頼性のおける再生産関係を見出していきたい。
成果の活用面・留意点
  • 東シナ海で重要な漁業資源であるマサバとゴマサバの再生産関係について詳細に検討を行い、現状が客観的な加入量予測となっていることを明らかにした。
  • ただし、ゴマサバについては解析期間が短いため、今後データを積み重ねることにより、より信頼のおける再生産関係について検討を続ける必要がある。
  • 海洋環境が再生産関係に与える影響について今後解析する必要がある。
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