高水温耐性品種「みえのあかり」の開発

タイトル 高水温耐性品種「みえのあかり」の開発
担当機関 三重県水産研究所
研究期間 2005~2010
研究担当者 坂口研一
岩出将英
発行年度 2010
要約 黒ノリ選抜株「みえのあかり」の特性を室内試験および野外試験で評価した。本株は室内試験において25.0℃、野外試験おいて24.1℃で良好な成長を示した。 また、初回摘みによる乾ノリ製品の品質も良好であった。本株を利用することによって高水温時においても高品質で安定した黒ノリの生産が可能となる。
背景・ねらい 三重県での黒ノリ養殖は、水温が23℃以下に低下する10月上旬に始まる。しかしながら、近年、地球温暖化の影響と考えられる水温低下の遅れ、また水温低下の停滞に伴いノリ葉体の脱落や異常芽の発生等が起こり、年内生産の減少の一因となっている。年内に生産される黒ノリは価格が高く、生産の減少は生産者にとって大きな損失をもたらしている。
そこで本研究では高水温耐性品種を開発して、生産量の増大と漁家経営の安定化を図ることを目的とした。
成果の内容・特徴 鈴鹿市漁場で養殖されている千枚程度の葉体を採取し、27.0℃の高水温条件下で1ヶ月間培養した後、生き残った細胞を適温で培養して細胞数を増やした。その後、葉体の成熟を促して受精を行ってフリー糸状体を得た。これらをカキ殻に巻き付け培養し成熟させた後、クレモナ糸に採苗を行い、室内で25.0℃で培養して葉体の芽落ちや障害が少なく成長の優れている葉体を選抜した。これらの作業を繰り返し行い、高水温耐性を持つ遺伝的に純粋なフリー糸状体を得た。
1)室内試験における成長
25.0℃から1週間で1℃のペースで水温を低下させていく高水温条件で培養を行った。培養35日後における高水温耐性品種「みえのあかり」の葉長は対象種(U-51)の約1.6倍の成長で形態異常も軽度であった(図1)。
2)野外養殖試験における成長
冷凍網を24.1℃で育苗を開始し、45日後における「みえのあかり」の葉長は対象種の約1.7倍の成長であった。また「みえのあかり」は対象種に比べ縮れやバリカン症等の障害もほとんどみられなかった(図2)。
3)乾ノリの品質
野外試験で摘採されたものを製品に加工した結果、同漁場において通常水温で養殖された製品と比較したところ外見、味とも遜色のないものであった(図3)。
成果の活用面・留意点 品種登録出願中である。
図表1 235144-1.png
図表2 235144-2.png
図表3 235144-3.png
カテゴリ 育苗 加工 経営管理 品種

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