タイトル | 農業環境中の放射性物質長期モニタリングデータの活用 |
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担当機関 | (独)農業環境技術研究所 |
研究担当者 |
木方 展治 |
発行年度 | 2011 |
要約 | [ポイント] 農耕地土壌とそこに栽培される作物の放射能汚染に関する日本における唯一の情報として長期モニタリングデータを公開。福島第一原発事故の際の土壌や作物汚染の対照データとして活用されました。 [概要]
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背景・ねらい | 1945年から開始された大気圏核爆発実験やその後の原子力施設事故により放出された放射性物質による農地土壌や作物の汚染状況を把握するため、旧農業技術研究所では土壌および農作物のCs-137とSr-90の調査・研究を全国の関係農業試験研究機関と連携・協力して1959年から開始し、今日に至っています。その成果は、1986年の旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故や1999年の東海村ウラン加工施設での臨界事故などの際に、農地土壌や農作物の汚染状況を評価するのに用いられてきました。このように、長期間かつ多くの定点を持つ観測網で、土壌・農作物の放射能汚染調査が継続されている例は他には見られません。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 | これらのデータは、平成23年4月8日に原子力災害対策本部から発表された、「稲の作付に関する考え方」において、作物への移行の指標としての玄米移行係数*0.1の算定に活用されました。これによって、警戒区域などに加え、生産した玄米の放射性セシウム濃度が食品衛生法の暫定規制値を超える可能性の高い地域について稲の作付制限を行うとの考え方が示されました。 今後、2011年のデータを付加するとともに、福島県を中心とする地域に新たにモニタリングサイトを設定して農地土壌と作物の放射性物質濃度の測定を開始し、福島第一原発事故の影響を把握する予定です。 *移行係数:土壌中の放射性物質濃度に対する農作物中の放射性物質濃度の比で、農作物の放射性物質の吸収のしやすさを表す。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
研究内容 | http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result28/result28_06.html |
カテゴリ | 加工 小麦 水田 水稲 モニタリング |